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「エイリアン・デッド」低予算の帝王、デビュー作ゾンビ映画

映画「エイリアン・デッド」のイメージ(日本版VHSジャケット)

まるでテスト・フィルムの様なゾンビ映画、
「エイリアン・デッド」の見どころについて詳しく解説しています。
低予算娯楽映画を大量生産し続けてきた製作者で監督、
フレッド・オーレン・レイのプロとしてのデビュー作です。

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「エイリアン・デッド」はこんな映画だ!

「エイリアン・デッド」
原題 「THE ALIEN DEAD」
1980年製作 アメリカ映画 73分(日本版VHS収録時間)
監督 フレッド・オーレン・レイ
主演 レイモンド・ロバーツ バスター・クラブ

アメリカの田舎町を舞台にしたゾンビ映画。
「スカルプス」(1983)、
「ファントム・エンパイア」(1986)、
「女切り裂き狂団チェーンソー・クィーン」(1988)、
「ジュラシック・アマゾネス」(1994)、
等々、SFやホラージャンルで作品の多い映画製作者で監督、
フレッド・オーレン・レイが初めて手掛けた商業映画。
16ミリフィルムで撮られた個人製作映画で、
予算は何と1200ドル。
母親が保証人となり銀行から借り受けたそう。
全体的にアマチュア然とした仕上がり。
ゾンビに人が喰い殺される映画なのに、全編のんびりムード。
連続活劇「フラッシュ・ゴードン」の主演スター、バスター・クラブがゲスト出演。

「エイリアン・デッド」ストーリー

アメリカの田舎町にゾンビが出没。
住民が惨殺される。
湖に隕石が落下し、影響を受けた付近の住民達がゾンビ化していたのだ。
新聞記者の青年と地元の女性が事件を調査。
度々ゾンビの襲撃を受けながらも真相を突き止める2人だったが、
警察は終始ワニの仕業だと思い込んだままで全く役に立たないのだった。

「エイリアン・デッド」ここが見どころ!

殺戮の連続なのに終始のんびりムード

冒頭からゾンビは人を襲いまくりなんですが、
地元の警察も町の人々もゾンビの存在に気付かず、
のどかな田舎町は常にのんびりムードです。

ゾンビたちは数人のグループでどこからともなく現われ、
人を襲ってはまたどこかへ帰ってしまいます。
なのでゾンビ映画特有のパニック感がありません。

更に、保安官助手が女性店員をナンパしてフラれ、友達に笑われちゃう、
みたいな特に何の意味も無い日常風景を随所に挟み込むものだから、
緊迫感が無いんですね。
ゾンビ襲撃シーンのみが、ピンポイントでホラー映画っぽくなってる感じです。

とにかく終始のどかなゾンビ映画。
コメディではなくシリアスなのに。
人、いっぱい喰い殺されるのに。
まあ、珍しいと思います。

「サンゲリア」に負けない!水中ゾンビ!

「サンゲリア」で人気のキャラクター、水中ゾンビ。
「エイリアン・デッド」にも出てきます!
しかも水中撮影で。
予算1200ドルなのに!
この低予算で本格的な水中撮影を多用しているのは大したもの。

「サンゲリア」とほぼ同時期のこの「エイリアン・デッド」ですが、
ちなみに水中ゾンビの元ネタはどうやら、
「ゲシュタポナチ死霊軍団 カリブゾンビ」(1976)
のようです。
ゾンビ映画の隠れた名作「ゲシュタポナチ死霊軍団 カリブゾンビ」

粗も目立ちますが、気にしません!

低予算娯楽映画の帝王の作品ですが、
「はじめの1本」ということで、
フィルム映画製作初心者にありがちな不手際は随所に見受けられますね。

とても多いのが、夜か昼か、あるいは夕暮れ時なのか、
時間帯がよく判らない、暗い映像が多い、ということ。
フィルターを使い、昼に夜間シーンを撮った「擬似夜景」なのか?
昼のシーンの撮影が夜までかかり暗くなってしまったのか?
あるいはただ単に、撮影時に露出を間違えて画が暗くなってしまったのか?

あとは音の処理ですね。
無音のシーンがやたら多いんです。
それも重要な見せ場であるべきゾンビ襲撃シーンに限って、
ノイズも効果音も何も無くなり、
素人が適当に作ったようなゆるいBGMのみになります。
ゾンビに襲われ、カメラ目線で悲鳴を上げてるのに、声入ってないんですからね。
これはさすがに酷い。

特撮の粗探しを楽しみましょう!

ゾンビメークは塗りだけだったり、
崩れた顔面をパテで形成してたり、
ゴム製のフルフェイスマスクを被ってたり、
超低予算の割に頑張っていると思います。

ただゾンビ映画の肝である食人シーンでは、
特殊効果の用意が出来なかったようで・・・
神様ロメロ監督の「ゾンビ」の直後のゾンビ映画ということで、
ゾンビが犠牲者を取り囲み、寄ってたかって食い散らす感じのシーン、
一応あるにはあるんですが・・・

ゾンビはひたすら犠牲者の身体を皆で揉むだけ。
基本、傷口は出来ません。

お腹の辺も引き裂くように揉み込みますが、
口から血が出るだけです。

腹から引きずり出すほどの量の内臓と、
腹部を裂く特殊効果は用意出来ず、
一口サイズの内臓肉を握りしめたゾンビが、
「うらうら~」とカメラ前に咥えて見せてくれます。

またパーティグッズの右手首を買って来たようですが、
切断する特殊効果は用意出来ず、
いきなり切断手首を持ったゾンビが、
指先をペロペロしゃぶるだけです。
(多分丈夫なゴム製なので噛み切れない)

しかもその直後、別のゾンビが犠牲者の右腕に噛み付くと、
その先にはちゃんと右手首がある!

お婆さんが農具のピッチフォークで胸を串刺しにされるシーンも変。
特に何がダメってわけじゃないんですが、
お婆さんの「直立不動で刺されるの待ってる感」が凄いです。
直接描写は無いんですが、背中に突き出たフォークの先っぽは見せてくれます。
ただしこのシーンも無音なので刺された感はまるで無し。

映画製作の練習?

日本のビデオソフト黎明期に発売された本作。
「ゾンビ」「サンゲリア」の洗礼を受けゾンビ映画を渇望していた頃、
「ゾンビものだ!」と期待感たっぷりに飛び付いてしまい、衝撃を受けた作品です。
これじゃ、自分の撮ってる8ミリ映画と変わらないじゃないか!
正式にリリースされている作品なら、当然一定以上のレベルをクリアしているはず、
という自分の中の常識はあっさり覆されました。
この「エイリアン・デッド」と「血まみれ農夫の侵略」に。

映画作りの練習を見せられてるようなこの、
「エイリアン・デッド」。
その後快進撃(?)を続ける映画人フレッド・オーレン・レイのルーツがここにあります。
一度観ておいても損は無いかも。
いや、あるかな。

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