「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」ゾンビ・ホラー

映画「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」アイキャッチ画像 ゾンビ映画

「人間解剖島 ドクター・ブッチャ-」
(DOCTOR BUTCHER M.D.)
(ZOMBI HOLOCAUST)
(1980年 イタリア 84分)

「サンゲリア」のオマケ的に急ごしらえで製作された、
グロ・ゾンビ映画「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」の見どころを解説します。

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「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」は「サンゲリア」ソックリ!

ゾンビ映画の名作「サンゲリア」
ニューヨーク湾へ漂着したクルーザーから現れた全身腐乱の男。
その謎を追い、
イアン・マッカロック演じる新聞記者ピーターが、
ゾンビが蔓延る南海の孤島へ調査に乗り込む。

一方「人間解剖島 ドクター・ブッチャ-」では・・・
ニューヨ-クに現れた食人鬼の男。
その謎を追い、
イアン・マッカロック演じる学者ピーターが、
ゾンビと食人族が蔓延る南海の孤島へ調査に乗り込む。

同じです。

「サンゲリア」では、イアンを含む4人の男女が島を訪れ、
襲い来るゾンビ達と死闘を繰り広げます。

「ドクター・ブッチャ-」では、
イアンを含む4人の男女が島を訪れ、
襲い来る食人族達と死闘を繰り広げます。

同じです。

それもそのはず、
この作品、「サンゲリア」撮影直後に同一プロデューサーが製作した、
いわば抱き合わせ企画みたいなもの。

同じロケ地で同じセットを使い回して撮影しています。

ただしこの2作品、出来栄えには雲泥の差があります。
その辺詳しくは記事後半で。

映画「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」のゾンビ

ちゃんとゾンビメイクしてるものの、何かカッコ良くないゾンビ

「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」ストーリー

ニューヨークのとある病院内で、
死体の一部が切り取られる事件が続発。
犯人は病院職員の男で、食人族出身。

よくそんな奴を雇ったもんです。

犯人は自殺し、
病院関係者であるイアン・マッカロックら男女各2名が、
調査のため食人族の島へ向かいます。

ちなみにヒロインは病院に勤務する医学生。
この女子の着替えシーンが不必要に多いのですが、
大味なセクシーダイナマイトなので、
嬉しいかどうかは人それぞれです。

一向は現地で研究を続ける学者の先生に、
地元民のガイドを数人付けてもらい、森へ調査に向かいます。
すると早速食人族の皆さんが登場。
脇役のガイドから順当に喰われて行きます。

食人族は皆半裸で貧弱な体付きのアジア人のお兄ちゃんたち。
「オマンマ、オマンマ!」と言いながら襲い掛かり、
(ほんとにそう聴こえます)
その場でいきなりムシャムシャ食べ始めます。

人喰い人種って本当にこんな大ざっぱなものなの?

調査隊はその後も繰り返し襲撃に遭い、
ついにイアンとヒロインもランチにされかかったその時、
不気味なうめき声とともに数人のゾンビが現れます。

食人族は逃げ出し、
おかげで主役2人とガイド1人が助かりますが、
彼らは「あー、助かった」と、
ゾンビの事には一切触れずに先へ進みます。

ゾンビの正体は、ガイドを紹介した学者が、
脳移植実験の末産み出してしまった失敗作。

結局イアンも博士の操るゾンビに捕らえられ、
脳移植の実験台としてベットに固定されちゃいます。

「お前の脳を若い肉体へ移してやる」
そう言って博士は、
隣のベッドに寝かされている若い現地人の頭の皮を剥ぎ取り、
黒髪のフサフサしたその頭皮をイアンの目の前にぶら下げて見せます。

「サンゲリア」日本公開時、
一部の心無いファンから「カッパ禿げ」などと酷いあだ名を付けられたイアン。

まさかそのフサフサをイアンの頭に被せようというんじゃ!?

違いました。
ただ見せただけです。

一方ヒロインのセクシー・ダイナマイトは食人族に拉致されますが、
喰われる事も無く、
全裸にされてボディー・ペインティングを施されます。

で、
「わーい、女神様だー」
と無邪気な未開人どもに何故か神として祭り上げられます。

ですっかり女王様気取りのセクシー・ダイナマイトは、
イアン救出のため、食人族を率いて博士の研究施設へ乗り込むのでした。

「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」はこんな映画

先ず、登場するゾンビが人を喰いません。
つっ立ってるだけ、もしくは座ってるだけ。
博士の命令で人を押さえつけたり、
ただの「手下」ですね。

残酷な見せ場である「人喰い」は食人族たちの役割ですが、
彼らの演技は非常に緩いです。
エキストラ感が否めません。

ゾンビたちは皆、サンゲリア風のグロ・メイクを施されていますが、
顔面の崩れ方が不自然です。
また、顔は酷く崩れてるのに、体はノーメイクなので、
即席と言うか、何か中途半端な印象。

後半、逃げようとしたイアンとゾンビが格闘する場面では、
衣装が思い切りめくれ上がり、
健康そうな若いスベスベお肌がモロ見えですよ。

映画「人間解剖島 ドクター・ブッチャー」のゾンビ

ちゃんとゾンビメイクしてるものの、何かカッコ良くないゾンビその2

ゾンビ歩きで登場したのに、
戦う際には機敏に動き回ったりと、
演出も少々雑。

ゾンビの顔面をスクリューで潰したり、
死体の両目を抉り取ったり、
といった残酷な見せ場の数々は、
一見して作り物なので、
気楽に楽しく見ることができます。

姉妹作品の「サンゲリア」に比べると、
特殊メイクやダミーの出来はチープで、
ショック演出のキレも甘いです。

実はホラーマニアにとっては、
そんなショボめな作品も愛すべき対象なんですが、
ゾンビ映画でゾンビが人を喰わないのは、やっぱつまんないです!

似たような道具立てで、主演俳優まで一緒なのに、
「なんちゃってサンゲリア」
な仕上がりに留まりました。

食人族とゾンビの喰い合いとか見たかったなあ。

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