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ゾンビ映画3大名作① 必見!最高傑作「ゾンビ」

ゾンビ映画名作ゾンビイメージ画像、夜明けの空

 ゾンビ映画の最高傑作、名作中の名作、その名もズバリ「ゾンビ」について詳しくお話しします。1979年3月の本邦初登場から「ゾンビ」を観続けた私深沢が、公開当時の状況や、様々なバージョンの「ゾンビ」が鑑賞可能になるまでの経緯なども踏まえ、詳細に解説いたします。

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概要~「ゾンビ」はこんな映画!

 「ゾンビ」(DAWN OF THE DEAD)
 1978年 アメリカ 115分(日本劇場公開時)ジョージ・A・ロメロ監督

カルト的名作の続編企画

 一軒家を舞台に、突如甦った死者たちと立てこもった人々との一夜の攻防を描いたモノクロのホラー「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)。低予算ながらカルト的な人気を誇るその作品の監督ジョージ・A・ロメロが、10年の月日を経て放ったシリーズ第2弾。血飛沫多めなゾンビへの銃撃や、血まみれ内臓まみれな人喰いの様子がカラーで生々しく描かれた。
 世界中で大ヒットを記録し、監督ロメロは以降ホラー映画界の巨匠として認識され、マスター・オブ・ホラーと呼ばれるまでに。また、特殊メイクを担当し、俳優として出演もしたトム・サビーニも本作でその名を広く知られるようになり、ゴア・メイクの第一人者として一躍人気者となった。

ゾンビブームの原点

 ゾンビというモンスターの存在がこれだけ世の中に定着したのもこの映画があってこそ。まさにジャンルの原点とも言うべき歴史的作品。甦った死者は人肉を喰らうために人を襲う、殺すには脳を破壊する等々、リビングデッド映画の基本ルールが世に広まったのも実質この映画から。
 シリーズ第1弾「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」こそ近代ゾンビ映画の原点、という見方もあるものの、低予算でマニアのみぞ知るカルト映画だった1作目より、2作目にして大作「ゾンビ」の方が映画界に与えた影響は大。

ストーリー

 死者が甦って人を襲う怪現象により、アメリカ全土がパニックに陥っていた。テレビ局スタッフの男女スティーブンとフラン、SWAT隊員のロジャーとピーターの4人は、安全な場所を求めヘリで街を脱出、郊外のショッピング・センターに立てこもる。彼らは店内から死者を閉め出す作戦を決行するが、その攻防のさ中、4人の中心的存在だったロジャーが命を落とす。残された3人は、物資には不自由しないものの希望の持てない無気力な毎日を送る。それから数ヵ月後のある晩、暴走族がショッピングセンターを襲撃。無法者たちとともに死者の群れが一斉に店内へなだれ込み、3人の平穏な日々は終焉を迎える。

「ゾンビ」日本初公開当時の様子

テレビCMが話題

 日本では1979年3月に劇場初公開。強烈なインパクトのTVCMが話題を呼び、公開されるやその過激な残酷描写と重厚なドラマ性にホラーファンから絶大な支持を得る。

「吸血ゾンビ」から人喰い「ゾンビ」へ

 当時日本でゾンビと言えば、英国ハマープロ製作の「吸血ゾンビ」(1965年)がホラー映画ファンにのみ知られている程度の認知度。この作品は子供向けのホラー書籍(「世界妖怪図鑑」的な類の)やホラーマンガ(藤子不二雄の「魔太郎がくる」他)等でよく取り上げられ、墓場の土中から死人が起き上がろうとしているスチールが有名だった。従って当時のゾンビのイメージは呪術師に操られる死体。
 ロメロ型のリビングデッドを描いた「悪魔の墓場」(1974年)が75年に日本でも公開されていたものの、印象は薄く、ゾンビという呼称も用いられなかった。
 そんなスチール写真やマンガの絵でしか馴染みのなかったクラシカルなモンスターが、「ゾンビ」予告編のオンエアでお茶の間のテレビ画面にウジャウジャと出現。昭和の子供たちに衝撃を与えた。しかもなんだか元気で従来のイメージと違う!緊急公開だったにもかかわらず、「ゾンビ」は一躍話題作となった。

ダリオ・アルジェント監督作品?

 日本劇場公開版の上映時間は1時間55分。ダリオ・アルジェント監督作品でイタリア映画として宣伝された。ロメロは共同監督という扱い。当時のロメロは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」も日本未公開でほぼ無名。一方のダリオは「サスペリア」の大ヒットで日本国内でも知名度が高かった。結果、監督・製作国に関しては捏造まがいの宣伝が行われることとなった。ただ、日本公開版のオリジナルプリントはダリオが編集したいわゆる「ダリオ・アルジェント監修版」であり、ダリオ・アルジェント監督作品・・・当たらずと言えども遠からず、ではある(バージョンに関しては詳しく後述)。

日本初のゾンビ・ウォーク?

 余談だが、当時劇場で販売されていたプログラムには配給元の日本ヘラルドが仕掛けた宣伝イベントの模様も紹介されていた。アングラ劇団、大駱駝艦の役者200人がゾンビメイクで街を練り歩くという企画で、その模様はテレビ番組でも放映された。間違い無く日本初のゾンビ・ウォーク・イベントである。

初公開当時の「ゾンビ」グッズ

ビデオは「ゴジラ」が5万円

 初公開を劇場で体験できた日本のホラーファンの多くが「ゾンビ」の虜となった。当時はまだ家庭用ビデオの普及以前。ゾンビフリークたちはロードショー館から名画座落ちした後も「ゾンビ」を追い続けた。
 当時ビデオソフトはまだ一般的ではなく、映画コレクターは高価な8ミリフィルムや16ミリフィルムで作品を購入していた。出始めだったビデオソフトは輸入版で1本3~4万円程度が相場。国内では東宝の「ゴジラ」が1本5万円という時代。しかも「ゾンビ」はフィルムもビデオも未発売。

原作本「死者たちの夜明け」

 「ゾンビ」の感動を脳内で再現するため、当時のファンが入手可能だったグッズは、先ず劇場で販売されていたプログラム(200円)、ポスター、チラシ、プレスシート、他、変わったところではモノクロのスチール写真セットなども売られていた(10枚1000円と30枚3000円の2種)。サウンドトラックは10曲入りのLP盤(2500円)とシングル盤(600円)があった。原作本「死者たちの世明け」(890円)は見逃しがちな貴重アイテム。サントラを聴きながら原作を読めば、「ゾンビ」の世界が脳裏に鮮明に再現できた。
 そんな状況で「ゾンビ」本編の映像を観る手段は皆無だった。唯一、アメリカで販売されていた「ゾンビ」のメイキングビデオ「ドキュメント・オブ・ザ・デッド」を現地で買うか個人輸入する、という手があるにはあったが、ネットの存在しない当時ではかなりハードルが高い方法。ファンは1日も早いテレビ放映を熱望した。

「ゾンビ」テレビ放映と「サスペリア版」騒動

BGMを全曲変更

 日本公開から約1年半後の1980年10月、東京12チャンネル(テレビ東京)がついに「ゾンビ」をオンエア。放映予定がアナウンスされると、ファンはその日を心待ちにした。そして当日、期待は打ち砕かれることに。
 放送時間の関係からカットはやむないものの、先ず冒頭からBGMの差し替えに気付く。この1曲だけであることを祈りつつ観続けるが、結局最後まで「ゾンビ」のオリジナルサウンドトラックは使用されず。同じゴブリンの「サスペリア」「ローマ麻薬ルート大追跡」のBGMの他、無関係の曲のみで全編構成されていた。

残酷描写削除とセリフ改変

 残酷描写は執拗に削除され、ちょっとした着弾までカットする徹底ぶり。セリフも実際とは逆の内容をしゃべらせるなど変更が目立ち、ラストの決めゼリフまで改悪。ファンにとってはこれなら放映してくれない方が良かったレベルのガッカリ・バージョンが誕生してしまった。これが後に録画ビデオが闇ルートで出回る「ゾンビ・サスペリア版」である。
 数日後の朝日新聞のテレビ欄には中学生のファンによる抗議の投稿が掲載された。

修正再放映

 その約2年後の1982年の7月、同局はBGMをオリジナル曲に差し替え、ラストの決めゼリフも本来の内容に戻したバージョンを放映。この頃になると家庭用ビデオデッキも徐々に普及し始めており、録画テープが日本のファンにとっては「ゾンビ」を追体験出来る重要なアイテムとなった。

「ゾンビ」輸入版ビデオソフト発売

ソフト化されない映画の筆頭

 でもやはり劇場で観たあの強烈な残酷描写が見たい。テレビ放映では丸ごとカットされたヘリでの旅の道中も懐かしい。ファンはビデオソフトの発売を待ち望んだが、「ゾンビ」は海外でもなかなか商品化されない作品として筆頭に上げられるようになっていた。

輸入版ビデオ「ZOMBIE」

 そんなある日、国内の輸入ビデオ販売業者ビデオパルが「ゾンビ」を新作リストに載せた。ファンはこぞって注文したが、ようやく手にしたそのパッケージを見て一瞬戸惑った。タイトルは「ZOMBIE」、ジャケ写は眼窩からミミズを垂らした腐乱ゾンビのアップ。それは「サンゲリア」のビデオソフトだった。つまりは輸入業者の勘違い。ただし「ゾンビ」ファンの多くが「サンゲリア」のソフトも欲しかったはずで、特に大きな問題は無かったものと思われる。後にその輸入業者はカタログのタイトルを「ゾンビ(サンゲリア)」と微妙な表現にさりげなく修正。

印象が違った「米国劇場公開版」

 ほどなくしてアメリカのソーンEMIから「ゾンビ」のビデオソフトはリリースされ、日本のファンも今度こそ輸入ビデオを手にすることができた。ただし待望のそのソフトを再生してみて、またしても戸惑いを覚えることに。
 劇場公開時にストップモーションがかかったりブルーフィルター処理されていた残酷描写がカラーでしっかり鑑賞できたのは感動的だったものの、全体的に映画の印象が違う。音楽が違う。ゴブリンの曲も一部使われてはいるが、全体に古いSF映画調のBGMでまとめられている。編集もスローで全体に重い印象な仕上がり。「米国劇場公開版」と呼ばれているバージョンであり、この頃から日本のファンはジョージ・A・ロメロ版とダリオ・アルジェント版の大きな2派閥が存在する事実に気付き始める。

国内版も米国劇場公開版

 その後、家庭用ビデオの本格的な普及に伴うホラーブームが到来し、「ゾンビ」の国内版ビデオソフトも発売されることになる。しかしこれもソーンEMIの米国劇場公開版に日本語字幕を付けたものであり、ダリオ・アルジェント監修版を修正したあの懐かしき日本劇場公開版はファンにとって幻のバージョンとなってしまった。東京12チャンネルの再放送版にその面影を残すのみであった。

「ゾンビ」バージョン違いについて

ロメロ版とアルジェント版

 「ゾンビ」に数多くのバージョン違いが存在することはファンの間では周知の事実。当時としては残酷過ぎる内容だったため、各国の基準によりカット・修正が加えられているという事情があるが、それ以前に監督ロメロ版とアルジェント監修版という2つの大きな流れが存在するのは前述の通り。これは、製作費の半分を調達したイタリアのダリオ・アルジェントが英語圏以外の地域への配給権と、上映用フィルムの編集権を持っていたため。つまりアメリカでロメロが撮影、粗編集してまとめたフィルムを、イタリアではアルジェントが完成品に仕上げたわけだ。

重厚なロメロ版

 無論「ゾンビ」の監督は現地で実際に演出し撮影したロメロ唯一人である。ロメロ自身が編集した2時間7分の米国劇場公開版は、前作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の流れを汲む、極限状態とその中での主人公らの生き様を生々しく描いた重厚なバージョンに仕上がった。

カッコ良いアルジェント版

 ただ映画の仕上がりは編集で決まる。またホラーというジャンルにおいてはBGMや音響も作品の印象を大きく左右する。独自の映像センスで全体をテンポ良くまとめ、派手な効果音を追加、ロックバンド・ゴブリンの軽快なサウンドが全編に流れる1時間59分のアルジェント監修版は、ロメロ演出のドキュメンタリックな味わいを残しつつも、スピーディーでノリの良い「なんだかカッコイイ」バージョンとなった。また、アルジェントは撮影現場の様子を見に行った際独自に撮ったフィルムも使用しており、そのカットはロメロ版には無い。

日本劇場公開版

 日本で公開されたのはこのアルジェント監修版の残酷描写に修正を加えた1時間55分バージョン。残酷シーンではヤバイ描写の直前でストップモーションがかかり「グチャグチャ!ベリベリ!」みたいな派手な効果音だけが響き渡る。グロ映像が続く食人シーンでは、映像を一部モノクロにしたり静止画にする等の処置が施された。また、冒頭にゾンビ発生の原因説明として惑星爆発の映像と黒バックにタイプ文字の解説テロップが流れたのは有名な話。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が無名でゾンビの存在に馴染みが無かった日本国内向けに、配給元が独自に付けた世界で唯一のオープニングだ。

「ゾンビ」国内版ビデオソフトついに発売

国内版ビデオとテレビ録画を編集

 アメリカでソーンEMI版のビデオソフトが発売されてから2年後の1985年、日本国内でも同じバージョンがCICビクターから日本語字幕入りでリリースとなった。パイオニアLDCからはレーザーディスクも発売され、日本のファンはテレビ録画で日本劇場公開版の雰囲気を味味わい、ビデオソフトで残酷描写とテレビで切られたドラマ部分を楽しむ、という見方が可能になった(私はそうしていた)。中にはその両方から編集した完全版を作るコアなファンも存在した(私)。

3時間バージョン存在のうわさ

 しかしソフト発売以前からファンにとっては気になる情報があった。雑誌の海外ホラー映画ソフト特集の記事の中で、ロメロ自身が編集した3時間近いバージョンが存在すると紹介されていたのである。この件はその後発売されたレーザーディスクのライナーでも語られていた。これが「ゾンビ・アンカット・アンド・アンセンサード」であり、「ゾンビ・ディレクターズカット完全版」として1994年、日本でも東京国際ファンタスティック映画祭のイベント、「闇の帝王復活!ゾンビ・オールナイト」で国内初公開の運びとなる。上映時間は2時間19分。ちなみに「3時間近い」と言うのは、どうやらその前段階のラフカット、つまり粗編集版のことのようである。

両巨匠による完全版2種、ついに解禁!

東京ファンタ、ゾンビ・オールナイト

 1994年の東京国際ファンタスティック映画祭のイベント「闇の帝王復活!ゾンビ・オールナイト」は、日本のファンにとって長年の念願が叶う待望の一夜となった。噂の中の存在だった「ディレクターズカット完全版」をついに鑑賞できる!これももちろん大きかったが、あの懐かしい日本劇場公開版のオリジナル「ダリオ・アルジェント監修版」を劇場のスクリーンで観ることができる!これこそ古いファンには最大の目玉だったのではないか?昔映画館で観たあの感動が甦る。しかも今回は恐らくストップモーションもかからない。事前情報では日本公開時にカットされたエンドロールもちゃんとあるらしい。

幻の帝王対談

 更に当日はロメロ、アルジェント両巨匠による帝王対談という夢のような企画もセットされていた!・・・のだが、この夢の対談、結局夢に終わった。当日巨匠は都合により来日せず、代わりに催されたのが豪華賞品が当たる夢の(?)クジ引き大会。目玉は巨匠ロメロ監督直筆サイン入りのゾンビTシャツ。2階席までギッシリ超満員、立ち見も出るほど大入りの劇場内でそんなお宝を手にすることができる強運のファンは所詮ごくごく一部(と思っていたらその1人はなんと私)。

大好評「デモンズ95」

 余談だが、当日、いくらバージョン違いとはいえ、深夜に同じ映画2本連続はかなりキツく、寝落ちしたファンも多かった中、一番劇場内を沸かせた作品がミケーレ・ソアビ監督の独創的ゾンビ映画「デモンズ95」。「ゾンビ」幻の2バージョンと最新ゾンビ映画の佳作、そして御大の直筆サイン入りTシャツ(一部の人だけだが)。帝王対談は無くとも間違いなく「ゾンビ」ファンにとっては歴史的な一夜となった。
(もちろん私にとっても。当時ゾンビ映画「地獄の血みどろマッスルビルダー」の企画を立ち上げたばかりの私は、帝王ロメロのサイン入りTシャツを手にし「これはゾンビ映画の神からの祝福だ!神の啓示だ!」と大いに盛り上がった)

そして新世紀、あらゆるバージョンがファンの手に

ディレクターズカットとアルジェント監修版収録LDBOX発売

 1994年の東京国際ファンタスティック映画祭「ゾンビ・オールナイト」。この一夜を境に日本の「ゾンビ」ファンの置かれた状況は一変することになった。作品の原典とも言うべき2つの完全版をいつでも自由に鑑賞できる時代がついに訪れたのだ。当日会場では「ディレクターズカット完全版」と「ダリオ・アルジェント監修版」の両バージョンを収録したレーザーディスクBOXの発売が予告されていた。会場のアンケートでは、このBOXセットのライナーに載せる「ゾンビへの熱い想いを一言で」的なメッセージも募集されていた。(私も当然応募→採用!)

「ドキュメント・オブ・ザ・デッド」も発売

 その後長い間幻となっていたメイキングビデオ「ドキュメント・オブ・ザ・デッド」もビデオソフト(完全予約生産)、続いてレーザーディスクの順で国内発売され、日本初公開当時からのファンにとっては夢のような状況が実現した。

全部入りBOXセット発売

 そして現在に至るまで「ゾンビ」は日本国内で繰り返しソフト化され続けている。DVDBOXにブルーレイBOXと、我々は同じ作品のソフトに一体いつまで投資し続けなければならないのだろう?というお腹一杯状態な現状。BOXセットの中には、2つの完全版と米国劇場公開版の他、テレビ放映された日本語吹き替えのカット部分を補完した、吹き替え完全版まで収録されている。

ファンが勝手に編集、究極の完全版?

 そしてこのネットが完全普及した現代。ドイツのファンが「完全版」と「アルジェント監修版」を勝手に1本にまとめた世界最長バージョン「ファイナルカット」、日本のファンが「ディレクターズカット完全版」「米国劇場公開版」「ダリオ・アルジェント監修版」から勝手に再編集した「コレクターズ・カット特別編集版」なんて完全にアウトな商品までネット上に出回る始末。もはや「ゾンビ」は監督も認知しない所で一人歩きを始めてしまった。

 しかし不思議なもので、いくらでも見放題、となると意外に観ないものだ。必死に「ゾンビ」を追い求めて休日に地方の名画座を巡り、「死者たちの夜明け」を探して書店を何件も渡り歩いたあの時代が今となっては懐かしい、ふとそんな風に思う古株のファンも少なくないのではないだろうか?

血みどろ監督深沢のお薦めバージョン

 最後に私、深沢真一が「ゾンビ」未見の方へお薦めするバージョン、というか見方を。
 先ず最初に観るならテンポが良くて観やすい「ダリオ・アルジェント監修版」。そのカッコ良さを十分に味わい、観倒したら「米国劇場公開版」で本来のロメロ演出に触れる。最後に「ディレクターズカット完全版」を観て全体像を知るのがベスト。理由は俺たち古株もその順で観たからだ!
 個人的には、ロメロのバージョンにのみ収録されている「ヘリのプロペラでゾンビの頭頂部が吹き飛ぶ」シーンを「ダリオ・アルジェント監修版」に追加した「深沢真一勝手に監修版」がお気に入り。できればその冒頭に、日本劇場公開版の筆文字タイトル(バックの効果音が不気味でナイス!)と惑星爆発映像&タイプ文字解説も付けたいところ。

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