「地獄墓地 死霊のうめき」偽ゾンビ・ホラー

映画「地獄墓地 死霊のうめき」VHSのジャケット画像。 ゾンビ映画

売り手側は「ゾンビ映画!」と主張するも、
どこがゾンビ映画なのか、正直サッパリ分からない!
「透明ゾンビ」が襲い掛かるSFホラー映画、
「地獄墓地 死霊のうめき」の見どころについて、詳しく解説します!

今回はストーリーに沿って詳しくご紹介しますので、
未見の方、これから鑑賞予定の方は、ご注意ください。
(結末ネタばれ防止の警告表示あります)

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ザックリ解説「地獄墓地 死霊のうめき」はこんな映画

「地獄墓地 死霊のうめき」
(THE INVISIBLE DEAD)
(1971年 スペイン・フランス 91分)
監督 ピーター・シェバリエ

映画「地獄墓地 死霊のうめき」タイトル

「米国ホラーマニアの間で熱狂的に支持されながらも、
日本ではこれまで観る事の出来なかった、
幻のゾンビ作品。
透明ゾンビが、女を襲う!
(日本版ビデオソフトのパッケージより)

特殊メイク界の巨匠・トム・サヴィーニがカラーでリメークした、
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記」
その日本劇場公開時のプログラム掲載、
「ゾンビ映画作品リスト」で、
私は初めて本作の存在を知りました。

以来、ひたすら中古店を捜索し続け、
ついに念願のVHSビデオソフトを手にしたときは、
嬉しさのあまり本当に小躍りしたものです。

パッケージには、
夜の墓地で土の中から這い出す、
腐乱しきったゾンビ達の醜怪な姿が描かれ、
その背後には、美女を抱き抱えた半透明のゾンビの勇姿が!

作品全体の雰囲気としては、
英国ハマープロのドラキュラシリーズのような感じ。

古城を舞台に、透明な怪物が地味に襲い掛かる、
登場人物少なめのクラシカルなホラーです。

ゾンビ映画のダイジェスト集、
「ゾンビーズ 生ける屍の群れ」でも紹介されています。

「地獄墓地 死霊のうめき」ストーリー

地元住民から恐れられている古城を、青年医師が訪れます。
城の主はちょっとイカレた生物学者。
人間を改造して造った透明な新生物を飼ってます。

父の研究を恐れた学者の娘が、
近くの町に住む青年医師に助けを求めたのでした。
(一切面識無し。いきなり使いを出し呼び付けた)

透明な何者かの存在に気付いた医師は、生物学者に説明を求めます。
学者が医師に事情を語り始めると、
物語は長い回想シーンへ・・・

六年前、学者の一人娘が突然死。
(あれ?じゃ、さっき医師を呼びつけたのは誰?まさか、幽霊?)
悲しんだ学者は棺の中の娘に、
ありったけの高級宝飾品を身に着けさせます。
それを見ていたメイドが、
召使いの男にオッパイをちらつかせてそそのかし、
棺を暴かせて宝石を盗ませます。
すると突然娘は息を吹き返し、
(ゾンビ?・・・ではなく仮死状態だっただけ)
お父さんに言いつけます。
怒った学者は召使いを痛めつけて地下牢に閉じ込め、
猟犬を放してメイドを捕まえ、
無事宝石を取り戻しましたとさ。

って、この回想、
透明人間の件と全然関係無いじゃん!
思い出話?

で肝心な透明人間の説明なんですが、
学会とかにバカにされて、
なんかカチンときて造っちゃったそうですよ。
簡単な口頭の説明のみ!
回想シーンとか一切無く、
みんなが見たい改造シーンもありません。

で学者はよそ者の医師を勝手に城に入れた罰として、
召使いの女に透明君をけしかけます。

すると女は自分からオッパイを出して逃げ回り、
勝手に裸になって倒れ、なんか一人でクネクネしはじめます。
どうやら透明君にエッチなことをされてるようです。

更に学者は、
自分から勝手にベラベラしゃべっておきながら、
「君は知り過ぎたのだー!」
とか言って青年医師を地下牢に入れちゃいます。
理不尽です。

が、医師は学者の娘によって助け出されます。
娘(なぜか薄着)は、
「透明君が来たら判るように!」
とわざわざ床に粉を撒きながら逃げます。

すると娘(薄着)の言う通り、
粉の上を足跡が進んで来ましたよ!
ほんとだっ!来たら判ったね!

そして医師は殴り倒され、
ちょうど薄着だった娘は服を脱がされます。
来たら判ったけど、判っただけだったね!

気のせいか、娘は自分から服を脱いでるように見えますが、
気のせいです。

娘は「あれ~」とベットに押し倒されます。
自分から倒れてるように見えますが、
気のせいです。

起き上がった医師は透明君に粉を浴びせます。
粉がかかり明らかとなった透明君の姿は!?

全身毛むくじゃら!
早い話がゴリラの着ぐるみでしたよ!
・・・これ、ゾンビなの?

「地獄墓地 死霊のうめき」エンディング(ネタばれ)

映画「地獄墓地 死霊のうめき」の透明ゾンビ

映画「地獄墓地 死霊のうめき」の透明ゾンビ?

※ 以下、結末に触れています。
  未見のかた、今後ご鑑賞予定のかたはご注意ください!

透明ゾンビ・・・ならぬ透明ゴリラは、
なぜか城に火を放ち脱走。
医師と娘は間一髪城から脱出。
振り返れば、烈しく炎上する古城!
・・・というのは撮影が大変なので無理でした。
窓から発煙筒の煙がモクモク出て来るだけ。

一方逃走した透明ゴリラは、
追ってきた猟犬達に襲われ死亡。
といってもこの場面、
ワンワン吠えてる犬のアップに、
「ウワーッ!」という普通の人の声がカブるだけ・・・

・・・まあ、透明ですからね。
仕方ありませんね。
決して手抜きじゃないですよね。

・・・

ってことで、一件落着なんですがねえ。
やはり違和感が・・・・・・

このゾンビ映画、
ゾンビ出て来ないので。

ほんの一瞬だけ映る怪物の正体。
「透明ゾンビ」と言って売り込むなら、
せめてあのカットくらい撮り直さなきゃ。
あのエキストラにゴリラの着ぐるみさえ着せなければ、
「透明だけどゾンビだよ!」
って言い張れたのに。

まあ、猿人って、昔はモンスターの定番でしたからね。

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