拙作「地獄の血みどろマッスルビルダー」、
英国リリースの収益化について簡単にご報告します。
個人製作映画の海外進出の収益実態が分かりますよ。
結構話題作となったとして、
一体どの程度儲かるのか?
発売から4年半、製作会社である私への収益額
結論から言ってしまえば、
2017年の発売から4年半分で、
決して大きい額ではなく、ちょっと嬉しいミニ・ボーナス程度。
製作費回収とかには程遠い金額です。
(後でもう少し具体的に言います)
英国版のリリース状況
拙作「地獄の血みどろマッスルビルダー」の海外タイトル、
「Bloody Muscle Body Builder in Hell」
の英国リリースが、
2017年4月24日。
● DVDと限定版VHS発売。
● Vimeoでの配信。
● Amazonプライムビデオでの配信(英国内限定)。
● ロンドンでの劇場公開(1日)。
興行収入の分配方法・分配比率
売り上げの分配比率は、
● 定価の半分は、販売店(アマゾン等)。
● 残り半分を、英国(発売元)と日本(製作元)で折半。
● その日本の取り分(定価の4分の1)を、
海外配給会社スタンド・エンターテインメントと私・深沢で分配。
(配分率は私7、配給会社3)
ただし英国発売に係わる全経費、
つまり製造費や宣伝費等、
これらを全て回収した時点で、
やっと分配が始まります。
つまり経費を全額賄い、
更に儲かった分、純利益のみが分配対象です。
ここが日本と決定的に違う点。
日本では、経費は発売元の負担。
売り上げは、経費回収前に、すぐ分配してくれます。
売り上げに対する取り分が分かりやすく、大変有難いです。
まあ、こちらも作品の製作費を負担しているわけですからね。
ある意味対等です。
日本国内版DVDの収益額
ちなみにWHDジャパン・フォワード・レーベルから出ている、
「地獄の血みどろマッスルビルダー 完全版」DVDの国内収益は・・・
私が受け取れるのは商品定価とレンタル料の約4分の1程度。
2014年春の発売から、
2021年10月現在までの7年半の総額で・・・
若い会社員の基本給位でしょうか。
1ヵ月分。
中小零細の。
実は大々的に売り出してくれていた「マッスルビルダー」
英国に話を戻します。
発売経費を賄ってから分配、
ということですが、
実はこの英国リリース、
発売元がかなり力を入れて売り出してくれたおかげで、
経費が相当かさんでおります。
● 現地で人気の映画ジャーナリストによる監督インタビュー。
● ロンドン中心地の劇場へマスコミを招待して特別試写会。
● 人気有名画家へジャケット用アートワーク製作依頼。
● 80年代的な作風に合わせ、VHS版数量限定発売。
(今はVHSの製造経費が大変高額になっています)
そんなわけで、経費回収には通常の作品より時間を要したようです。
私の受け取り額も当然減るわけですが、
その代わりに、私と作品を世界の舞台で有名にしていただけました。
結論・英国リリース収益額は・・・
で、かさんだ発売経費を回収した上での、
私が受け取れた分配額。
まあ、他の会社も関わってますので、具体的な金額は避けますが・・・
この4年半分で、
土日のバイトを1カ月間頑張った位でしょうか。
分かりにくいかな?
もしくは、
若い会社員の基本給の半分位ですね。
中小零細の。
つまり個人が映画1本で海外進出を果たしても、
「よおし!この収益を元手に会社を辞めて映画製作に専念だ!」
とはなりません。
・・・という夢の無いお話でございました。
今の時代、もっと効率の良い売り方が必ずあるとは思いますが。
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