「ドラキュラ対フランケンシュタイン」懐かしホラー映画

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」イメージ画像 ホラー映画

50代以上には、子供の頃にテレビで観た懐かしの「怪奇映画」なのでは?
肉団子みたいな顔のフランケンが、
ドラキュラに腕や首をブチブチちぎられるあの映画。
フランケンが柔らかいのか、ちぎるドラキュラが怪力なのか?
ドラキュラが光線を発射したり、子供心に「何かがおかしい」と思った作品。

「ドラキュラ対フランケンシュタイン」
(DRACULA VS. FRANKENSTEIN)
(1971年 アメリカ 45分)
監督 アル・アダムソン
出演 ロン・チャイニーJr(脇役ですが遺作です)

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「ドラキュラ対フランケンシュタイン」の思い出話

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」怪物2人とヒロイン

70年代位にしょっちゅうテレビで放映されてましたねえ。
今じゃ珍品ホラー扱いですが、怖い映画大好きな当時の男の子たちは喜んで観てました。
多分。
少なくとも私と私の友だちは。
テレビで怖い映画観られるって、それだけで貴重な体験だった時代なんですよ。

オカルト映画の大ブーム真っただ中で、
「エクソシスト」とか「オーメン」とか「サスぺリア」とか、
いろいろ良作が出始めてたと思うんですが、
やっぱりフランケンとドラキュラはまだまだ人気モンスターでしたね。

「ドラキュラ」対「フランケンシュタイン」!
純朴な当時の男の子たちは、
この魅惑的なワード×2な映画の放映開始時刻を、
ブラウン管テレビの前でワクワクしながら待ちました。

放映翌日は学校でも話題になってた記憶があり、
印象としては軒並み好評だったように思います。

でもでも、顔中に粘土を適当に盛りつけたような、
頭でっかちで不格好なフランケンには、
ボリス・カーロフが演じた怪物の様なスタイリッシュさも格調高さも無く、
ドラキュラがスぺシウム光線みたいなの出しちゃった日には、
さすがに子供でも、
「ん?何か・・・違う?」
と感じる瞬間があったような気もしますね。
今思えば。

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」ドラキュラ光線

ドラキュラ、指輪から光線発射!

「ドラキュラ対フランケンシュタイン」ストーリー

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」怪物

顔面がテキトーっぽい怪物

時は現代のアメリカ、
と言っても71年当時のですが。
ヒッピーがたむろする治安の悪い海岸沿いの遊園地に、
一軒の不気味な見世物小屋が。
実はここの主はフランケンシュタイン博士!
怪物じみた手下2人に美女を殺させては、
施設の奥の研究室で、死体の蘇生実験を繰り返していたのです!

で・・・
そこへドラキュラが普通に現われ、
博士に人造人間の蘇生を依頼します。

何でも、人造人間に使われる人工血液が飲みたいらしいっすよ。
でもこれ、よくよく考えてみると、
ドラキュラ、人を襲うのやめようとしてますよね。
ドラキュラの発想としてはどうなのか?

で行方不明の妹を捜しに来たヒロインとその仲間の若い男女たちが、
博士一味やドラキュラと小競り合いに。

仲間たちは殺されてしまい、
博士や手下たちもつまづいて勝手に死んだりしまして、
気付けばドラキュラとフランケンの怪物とヒロインだけという、
変なトリオ編成に。

フランケンは気絶したヒロインをちょっと好きになってしまい、
かくしてドラキュラとフランケンはタイトル通りのバトルを繰り広げる、
・・・というか取っ組み合いの大喧嘩になってしまうのでした。

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「ドラキュラ対フランケンシュタイン」はこんな映画

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」ロン・チャイ二ーJr

本作が遺作となった、モンスター俳優ロン・チャ二ーJr

まだ「ホラー映画」なんて呼び方は輸入されていなかった70年代頃。
テレビで度々放映されていた、思い出の「怪奇映画」。

「フランケンシュタイン」ものや「ドラキュラ」ものの映画と言えば、
19世紀頃のような、昔の時代が舞台だったものですが、
この作品はその両雄が登場するにもかかわらず、71年当時の現代が舞台。

この映画のフランケンシュタインの怪物は、顔中コブだらけでガンモドキのよう。
髪もボサボサで頭でっかちに見え、何か不格好です。
顔の造形は手抜きかな?
と当時は思ってましたが、
今思うと、版権問題を意識したのかも知れませんねえ。
ボリス・カーロフが演じたあの額の広いお馴染みのフランケン顔は、
版権で守られていて実は勝手に使えないのです。
英国ハマープロ版のフランケンが全く別のオリジナルな顔になったのは有名な話。

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」怪物

ライティングによっては結構不気味

後年よく言われるようになった、
この作品のドラキュラ伯爵の異様な外見問題。
お髭とアフロヘアで黒人系の見た目なのは、
私の様な当時のお子様にはほとんど気にならなかったと思います。

外人さんだし、肌もちゃんと青白く塗られてましたし。
世代が上の映画ファンはクリストファー・リーとかと比べて違和感覚えたかも?

映画「ドラキュラ対フランケンシュタイン」ドラキュラ(メイク薄め)

ドラキュラ(メイク薄めバージョン)

この映画、元の企画は「イージーライダー」みたいなバイカー映画で、
急遽怪奇映画に内容変更されたそうなので、
元はドラキュラ役でオファーされたんじゃないのかも知れませんね。

内容は確かに変わり種で、
フランケンシュタイン博士は車椅子のお爺ちゃんで、
見世物小屋を経営しながら、バックヤードで死体の蘇生を研究してます。
そこへ現れたドラキュラが人造人間製造を博士に依頼。
目的は蘇生に使う人工血液が欲しいから。

今思えば、いかにも別企画からの内容変更らしい、
取って付けたような設定と展開ですね。

「ドラキュラ対フランケンシュタイン」ドラキュラ(メイク濃いめ)

ドラキュラ(メイク濃いめバージョン)

ただ、やっぱり昔の怪奇映画ですよ。
グロ趣味で異様なムードが漂います。
残酷描写も割と多め。
断首シーンも多いですし。
見世物らしいサービス精神が楽しいです。

まあ、今のホラー映画のリアルで強烈な描写に比べれば、
稚拙でおとなしいもんですが。
特殊効果も昔ながらの特撮で、トリック、って感じ。
例えば生首は床に開けた穴から顔出し方式。

でも、凄いもの見せたい!
怖がらせたい!
って気持ちは伝わって来るんですよね。

ドラキュラが発射した光線で、
人が一瞬にして燃え上がり肉塊になっちゃうのも、
簡単過ぎな手描きアニメ合成なんですが、
取り敢えず何かショッキングです。

フランケンの腕もぎ取りも、
綿を詰めた服を引きちぎるだけですが、
昔の子供の目には十分刺激的で、強く印象に残りましたねえ。

怖がらせるための見世物映画を作る。
それって、ホラー映画の原点にあった基本姿勢だと思います。
明らかに変な映画ですが、
当時の子供、現オジサン世代のホラーファンとしては、
決して嫌いじゃない、懐かしの怪奇映画です。

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