「13日の金曜日」第一作目、魅力の秘密を解説

映画「13日の金曜日」イメージ画像(ポスター) ホラー映画

ホッケーマスクの殺人鬼ジェイソンでおなじみ、
「13日の金曜日」シリーズ。

その原点である第一作目、
お話自体、正直あまり面白くないんですが、
でも人気はあり、
かくいうこの私も気付けば再見しています。

この映画の魅力って何?
その正体が分かりましたので大公開!

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ストーリーはイマイチ、ミステリーも破綻

実はこの映画、つまらないのに面白く出来てるんですよ。
つまりは、
「面白かった!」
という印象が残るような構成になってるんです。

お話はダメダメだけど、
関係ありません。

先に答えを言っちゃうと、
「ピーク・エンドの法則」
ってやつです。

私はこの作品を公開時、劇場で観ました。
「全編殺人者からの視点だけで撮られている!」
という友人からの事前情報はガセでしたが、
まあ、そんな撮り方じゃ面白くなりそうもないから良かったとして、
この映画のストーリー展開、
ミステリーとして、スリラー映画としては破綻してます。

「13日の金曜日」ストーリー(ネタバレ)

もう今更な名作なので、
以下ネタバレでお話しちゃいますが(未見の方は要注意)、

「13日の金曜日」のストーリーは、
少年の溺死事故で、
長らく閉鎖されていた湖畔のキャンプ場再開のため、
スタッフとして集められた若者たちが何者かに殺されて行く。
というだけの単純なお話。

殺人者視点のカメラに向かい笑顔で近付いて来た人が、
グサッと刺されて驚いて死んだりするんです。
犯人は顔見知り?
って思うじゃないですか。

そうやって犯人は一体誰?
という展開からの、
クライマックスでいきなり初登場したおばさんが真犯人という、
意外過ぎて誰にも推理不可能な真相。

このおばさん、
前半でチラッとでも出しときゃ良かったのに!
そんなチャンス、いくらでもありました。

トム・サビーニの残酷描写で引っ張る!

つまりお話に関しては、
若い連中ががやがや、いちゃいちゃしてるだけの展開。

でも、
この若い奴らが程良い間隔で殺されて行くわけです。
「ゾンビ」の特殊メイクマン、トム・サビーニ渾身の殺害描写は強烈。
人体が刃物に犯され、壊される様を克明に見せつけます。

すると観客の興味は、
次はどんな凄い殺人を見せてくれるの?
というモードになり、
多少お話がヘボでも先が楽しみになります。

そうやって、当時まだ珍しかったモロ見せの残酷描写で引っ張られ、
クライマックスで派手な断首を見せられるわけです。

どアップで。
スローモーションで克明に。

ホラー映画における首の切断って、
昔から大きな見せ場でした。

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ホラー映画を盛り上げる見せ場「首切断」

例えば、日本では昔テレビ放映されたホラー映画、
「ザ・ハウスⅡ」(ビデオタイトル「ギロチノイド」)。

洋画なのに、
先祖の因縁で末代まで祟られるという心霊ホラー。
祟りや心霊ものの本場、日本の子供である我々には、
正直、面白くも恐くも無いんですよ。

子供の頃テレビで観ていて、
いや、これは・・・恐くないし、つまらないなあ。
と・・・

ところが、
クライマックスに剣で首を切断するシーンがあり、
一見して人形ですが、モロに見せてくれたんですね。
その時だけは、
「おっ!」
と思いました。
人形でも、
「ちょっと良いもん見た!」
って気がしちゃいました。

ピーク・エンドの法則で面白かった印象に

話がそれまくりましたが、
「13日の金曜日」のクライマックスも、
派手な断首で観客に満足感を与えることに成功しています。

そして一夜明け、
助かったヒロインの背後から突然襲いかかるジェイソン!
ここで観客は意表を突かれ、ビクッとなったわけです。

刺激的な殺害描写で関心を惹き、
盛り上がりのピークで、
首切断という派手な見せ場。

終わったと思った後のエンディングで、
隠し玉を出してドキッとさせる。

この展開だと、たとえお話が破綻してても、
構成で面白く感じてしまいます。

冒頭でも書いた、
「ピーク・エンドの法則」です。

ピークとエンド、
つまり映画のクライマックスとエンディングさえ面白ければ、
観客は、
「面白かった」
と、良い印象を抱くんですね。

ホラー映画は、
ストーリーは単純でも、
構成と演出で十分面白作れる!
という良い見本。
それが第一作目「13日の金曜日」なのでした。

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