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超能力でゾンビ召喚!異色のゾンビ映画「悪霊少女」

「悪霊少女」イメージ画像

 名作「ゾンビ」の日本初上陸直後、テレビ東京で放映された日本劇場未公開ゾンビ映画、「悪霊少女」について詳しく解説します。超能力を持つ孤独な少女が死者を甦らせる!「サンゲリア」以前に全身腐乱のゾンビを登場させた、スプラッター度も比較的高い異色のホラー映画です。

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ざっくり解説「悪霊少女」はこんな映画

「悪霊少女」(原題・THE CHILD)
別題「新チャイルド ゾンビ・甦った死者の恐怖」(TV放映時)
  「ドーン・オブ・ザ・デッドチャイルド」(DVD)
1977年 アメリカ 88分(日本版VHS収録時間)
監督・ロバート・ヴォスカニアン 
主演 ローレル・バーネット

 G・A・ロメロ監督の名作ゾンビ映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の影響作。ゾンビの発生原因が少女の超能力という着想が珍しい異色の作品。
 当時の定番だった青塗りメイクのゾンビではなく、全身が腐敗し半ミイラ化したモンスターのような姿にして、フルフェイスマスクと全身スーツでクリエイトしている点が斬新。
 日本では「ゾンビ」公開直後、家庭用ビデオの普及以前で、まだゾンビ映画の鑑賞が大変困難だった時代に、夜8時からの「火曜ロードショー」で放映され、ゾンビマニアの間で話題となった作品。

「悪霊少女」ストーリー

 森の奥の屋敷で、父、兄と共に暮らす、母を亡くした孤独な少女。不思議な能力を持つ彼女は、墓場から死者を甦らせ、折り合いの悪い周囲の人間を襲わせる。
 少女の世話係として雇われたヒロインは、少女の兄とともに車で屋敷を脱出するが、途中ゾンビの群れに襲われ、工事現場の小屋へ逃げ込み立て篭もることに。

「悪霊少女」ここが見どころ!

 さてここからは、私、血みどろホラー映画監督深沢真一が、「悪霊少女」本邦初放映時の思い出話なども交えつつ、作品への思い入れタップリに全力で解説させていただきます!

異色のゾンビ映画です!

 日本ではまだ認知されているゾンビ映画が少なかった頃の作品ですが、そんな数少ない他のゾンビものと比べても、異色の設定、内容で、かなりの変わり種でした。特に珍しかったのは、ゾンビ現象の発生原因を超能力にしたことですね。怪しい少女の持つ不思議な力で死人が甦っているので、ゾンビ映画の持つ「公の危機」的なパニックものの要素が無く、極めて個人的、限定的な恐怖譚となっています。

怪奇映画ムードが楽しい

 映画の前半はおどろおどろしい、いかにもな怪奇映画ムードが漂います。映像面でも音響面でも不気味なムード作りに徹しています。
 映画の実質的主役であるゾンビも、なかなかハッキリと姿を見せません。墓石の後ろから手だけ出して餌の猫をつかみ取ったり、濃い霧の中、木陰からハゲ頭のてっぺんがチラッと覗き見えたり。襲撃場面でも見えるのは爛れた腕だけで、隠されたその姿への興味を掻き立てます。
 その辺の演出は、今の時代のゾンビファンには少々たるいかも?でも昔の怖い映画って、こうだったんですよ。

後半は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」風ゾンビ映画!

 後半は一転、襲い来るゾンビとの緊迫したバトルが繰り広げられます。一軒家、と呼ぶにはあまりにも粗雑な作りの小屋に立て篭もった男女と、侵入しようとするゾンビとの手に汗握る攻防戦。
 そう、後半の展開は明らかにミニ「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」なんですねえ。小屋の作りが雑なのは正解で、あちらこちらの隙間からゾンビが無理矢理入り込んで来るので緊迫しまくりです。前半のまったり怪奇ムードが嘘のように盛り上がります。

当時としてはサービスしていたゴア描写

 前半はゾンビが姿を見せないので、襲われた被害者側の惨状のみが見せ場になりますが、たいてい目を抉られていて、ちょっとやり過ぎなわざとらしい特殊メイクが楽しいです。
 このいかにもな感じ、昔のワイドショーの再現ドラマに出て来た幽霊のメイクに相通じるものがありますねえ。普通に死んでも出て来る時は顔面グチャグチャ、みたいな。
 後半はゾンビの頭部を斧で叩き割ったり、被害者の傷口メイクも前半以上に派手になっていたり、製作時期を考えると、要所要所けっこう頑張って見せていた方だと思います。

ゾンビの姿がユニーク

 ゾンビの見た目なんですが、青白い死体、といったイメージを大きく覆す、全身ボロボロ、腐敗してミイラ化した、焼死体みたいな独特の姿です。登場するゾンビは総勢7~8人ですが、みんなほぼ同じ状態。
 1980年製作の「サンゲリア」より3年早く、全身が腐乱したゾンビを登場させていたのは流石と言うほか無いですね。まあ、正直特殊メイクの完成度はかなり劣りますが。
 動きも当時定番のノロノロ歩きではなく、ヒョコヒョコ歩きます。どこか猿っぽいイメージ。ジャンプして襲いかかって来たりと、けっこう機敏です。絶対数が少ないからそうしたのかも知れませんね。ゾンビ数人でノロノロ歩きしてたら余裕で逃げられちゃいますから。

テレビで鑑賞出来た貴重なゾンビ映画

 名作「ゾンビ」が公開され、続いて「サンゲリア」までやって来たあの頃の日本。ホームビデオがまだ普及していなかったため、映画を観るには映画館へ足を運ぶか、テレビ放映を観るしかなかった時代。
 ゾンビ映画を観ようと思ったら「ゾンビ」か「サンゲリア」が名画座にかかるのを待つしかありませんでした。
 そんな中、テレビ東京からの贈り物のような、未公開ゾンビ映画の放映は、貴重なゾンビ体験の機会でした。(日本公開作「ゾンビ」と「悪魔の墓場」もテレビ東京でした!)
 「悪霊少女」もそんなテレ東からの贈り物の1本。テレビ放映時のタイトルは、
 「新チャイルド ゾンビ・甦った死者の恐怖」!
 多くの人が新聞のテレビ欄を見て「チャイルドゾンビ」と勘違いした微妙な命名。
 数年前にヒットしたホラー映画「ザ・チャイルド」の続編っぽい線を狙いつつ、流行りの「ゾンビ」もしっかりサブタイトルに入れた結果の紛らわしい邦題です。
 私も学校で友人から「今日テレビでゾンビやるよ!チャイルドゾンビだって!」と言われて驚き、帰宅するなり母に、「お母さん、今日テレビでゾンビやる!?」と訊いたところ、「やるよ。チャイルドゾンビ」と言われ、子供ゾンビって何?と若干の疑念を抱きつつも、夜までワクワクが止まらなかったのをよく覚えてます。
 正直、劇中登場したゾンビは期待したのとは違い、あまりゾンビらしくなく、全身タイツの骸骨みたいな印象でした。それでも初めてゾンビが全身像を見せる、数人でゾロゾロと近寄って来て車を取り囲む場面では「おおっ、ゾンビだ!(一応)」と歓喜&興奮したものです。
 ゾンビ映画をなかなか観ることが出来なかった当時のゾンビファンの心の隙間を、この「悪霊少女」が束の間埋めてくれたのは確かで、私にとっては思い出のゾンビ映画の1本なのでした。 

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