「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」脱力ゾンビ映画の楽しみ方

映画「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」のイメージ画像(ビデオジャケット)です。 ゾンビ映画

 緑色の塗料で肌を雑に塗っただけのゾンビ兵士が、田舎町をうろついては住民を捕まえて血を吸うだけ。そんな脱力必至のゾンビ映画「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」の見どころについて、私・カルトホラー監督深沢真一が詳しく解説いたします。

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ざっくり解説「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」はこんな映画

「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」(原題・ZOMBIE LAKE)
1980年 フランス・スペイン 87分(日本版VHS収録時間)
監督 ジャン・ローラン 
主演 ハワード・ヴァーノン
 湖の底から甦ったナチス兵のゾンビたちが、近隣住民を襲って血を吸うだけの映画です。冗長な演出と編集により、脱力系ゾンビ映画の代表格のような扱いとなってます。
 とにかく全体的にダラダラしていて緊張感がありません。とってものんびりムードなホラー映画です。
 当初監督に予定されていた「ゾンビの秘宝」のジェス・フランコがクランク・イン直前に降板。急遽代役に立てられたジャン・ローラン監督の思い入れの無さが、映画の仕上がりに顕著に現れている、と言われております。

「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」ストーリー

 ナチスの兵士たちが、田舎町の住民たちに殺され湖に投げ捨てられます。時を経て、なぜか甦った兵士たちが湖から復活、住民たちを襲い始めます。通行人から、湖で泳ぐ全裸の女子たち、入浴中の女子らが次々襲われ血を吸われます。
 途中、ゾンビの1人が、生前村の女性との間に作った娘を他のゾンビから守ったりして、親子愛に泣かせます(嘘。泣けません。全く)。
 最後は住民たちが一計を案じ、ゾンビを動物の血で小屋に誘い込み、火炎放射で焼き殺そうと試みます。

「ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団」ここが見どころ!

ゾンビ・メイクが雑過ぎて笑える!

 前述の通り、全体にダラダラしてます。覇気が無いというか、作り手のやる気の薄さが作品の完成度に反映されてしまっているようです。
 例えばゾンビメイク。ワックス状の素材で簡単な傷口メイクを施されたゾンビも見受けられるものの、基本は肌を緑色に塗るだけ。この塗りが問題。けっこう雑です。顔は塗ってあるけど首は塗れてないとか、髪の生え際は諦めちゃって全然塗れてないとか、かなり大雑把な仕上がり。所々塗りが剥げて健康そうな肌色が覗いちゃってますがお構い無しです。
 女性の首筋にかじり付く吸血シーンでは、犠牲者の肌に緑色のファンデがべっとり移っちゃってます。
 メイクと言えば、当時のゾンビ映画最大のお楽しみである、特殊メイクによるゾンビ破壊や人喰い等の残酷な見せ場も全く見当たりません。人肉喰いちぎり的な派手な特殊効果は用意出来なかったようで、ゾンビが口に含んだ血糊を、噛み付きながらダラ~と吐き出すだけです。

女の子の裸がいっぱい!

 その代わり、と言うわけでもありませんが、女性の裸はたっぷりと見せてくれます。全裸で泳ぐ女性たちを水中からじっくり見せたり、裸で横になっている女性の身体をアップで舐め回すように見せたり。カップルが襲われるシーンでは、男性を一撃で殴り倒し、裸の女性からの吸血をゆっくりと見せます。昔のヌード映画レベルなのでさして有り難くもないんですが、無いよりはマシです。

ゆるい感じを笑って観る

 そんなこんなで、このゆるい感じを「なんじゃこりゃ」と笑って見るか、あるいは細部の粗探しを楽しみながら観るような映画ですね。特段見どころが無いのが見どころというか。
 この作品と同じくユーロシネ製作の「ゾンビの秘宝」同様、映画を面白おかしく茶化して解説したいネットのレビュアーさん御用達タイトルとして重宝されちゃってます。

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