前半、殺人鬼ホラー、
後半、一転お子様向け映画、
という妙な展開のメキシコ産ゾンビ映画。
「ゴゲリアン 墓場のえじき」ストーリー
「ゴゲリアン 墓場のえじき」
(CEMENTERIO DEL TERROR)
(1985年 メキシコ 90分)
監督 ルーベン・ガリンド・Jr
悪魔教の崇拝者だった殺人鬼の遺体を、
若者達のグループが遊び半分の儀式で甦らせちゃいます。
ついでに墓場から無関係の死人達まで続々蘇生。
墓地に紛れ込んだ子供達が怖がって泣きます。
墓地に隣接する広い廃屋に、
3組の若いカップルがやって来ます。
霊安室から殺人鬼の死体を盗み出してきた彼らは、
お手軽な儀式で蘇生させてしまいます。
この殺人鬼の必殺技は「引っ掻きビンタ」(勝手に命名)。
ツメを立てて思いっきり引っ叩く感じ。
猫パンチみたいなもんですね。
とにかく物凄い威力のビンタですよ。
これをくらうと肉は抉れるは内臓は飛び出すはでもう大騒ぎ。
若者たちは片っ端からブチ殺されて行きます。
またこの殺人鬼、超能力も持ってます。
念動力でシャンデリアを落とし、
オノなども自在に操り遠隔で頭を叩き割ります。
じゃあ、1人づつビンタしてまわらなくても良さそうなもんですが・・・
それにしても、
映画前半で主要人物の大半が死んじゃって後半は大丈夫?
と心配していたら、
前半、画面の隅っこでウロチョロしてた小学生達が突然主役に昇格!
墓地の中をゾンビの群れに追いかけ廻されて泣きます。
「ゴゲリアン 墓場のえじき」はこんな映画
「耐えられない、この臭気!この残酷!」
(日本版VHSジャケット裏面のキャッチコピーより)
・・・臭気?
臭さをそんなに推す?
ゾンビ達のルックスは「サンゲリア」とほぼ同じで、
ボロボロで乾燥した感じ。
ゾンビメイクはフルフェイスマスク着用が基本のようで、
全身しっかりメイクされてます。
(ちなみに親玉の殺人鬼ゾンビは「悪魔の墓場」のガスリーに似てますね)
このゾンビ達の珍しい特徴として、
十字架を恐れます。
しかしこのゾンビ軍団、
一切活躍しません。
逃げ回る子供達を結局1人も捕らえることが出来ず終い。
従って伝染性、食人の習性の有無なども判断出来ず。
前半大勢の大人をアッサリ殺して見せた殺人鬼ゾンビも、
後半子供達には終始逃げられっ放し。
お得意の一撃必殺引っ掻きビンタも何故か封印。
子供がオノを持って構えても、
さっきみたいに念動力で操ったりしません。
相手の年齢によってずいぶん対応に差があります。
最後は復活の儀式で使用された悪魔の本を廃屋の暖炉で燃やされ、
炎に包まれるゾンビ達。
(「死霊のはらわた」!)
火達磨になったゾンビ達はなぜか屋外へ出て行きまして、
子供らに火が燃え移る危険を回避。
結局、殺人鬼おじさん1人に襲われた大人達は
全員惨殺。
一方、殺人鬼おじさん+ゾンビの群れに襲われた小学生達は
全員生還。
なんで?????
凄惨な殺人鬼映画と、
健康的なお子様向け冒険ゾンビ映画。
この2つの企画を無理矢理合体させてみました。
そんな印象の作品ですね。
ゾンビ映画マニアには当然もの足りないです。
スポンサードリンク
コメント