おすすめゾンビ映画「ゾンビ3」は奇跡の傑作ホラー!

「ゾンビ3」アイキャッチ画像 ゾンビ映画

 全身腐敗してミイラ化したズタズタボロボロのゾンビが続々登場!全編人喰いとゾンビ破壊のオンパレード。細部は少々雑でもグロい描写を徹底的に見せまくる、残酷で怖いゾンビ映画、奇跡の傑作。
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ざっくり解説「ゾンビ3」はこんな映画!

「ゾンビ3」(THE NIGHTS OF TERROR)
 1980年 イタリア 86分(日本版VHS収録時間) アンドレア・ビアンキ監督

「ゾンビ3」のゾンビその①

 名作「ゾンビ」の大ヒットを受け、イタリアで急遽製作されたニセ続編「サンゲリア」。残酷とグロに徹したその作風に倣い、短期即製でデッチ上げられたのがこの「ゾンビ3」。
 粘土細工風の半ミイラ化したゾンビが大挙して押し寄せ、登場人物を次々に汚く喰い殺して行くだけのゲテモノ・ゾンビ映画。
 ゾンビの造形や人体破壊の特殊効果など、本家「サンゲリア」と比べるとかなり粗雑なものの、その作り物感が逆に不気味で、奇跡的に見どころ満載のエンターテインメントに昇華している。いかがわしくも楽しい80年代イタリアを代表するゾンビ映画。

「ゾンビ3」ストーリー

 「ゾンビ3」ゾンビと考古学者

 郊外の洞窟で考古学者が古文書を解読、古代人の死体を大量に甦らせてしまう。ゾンビの群れは学者の自宅に集っていた友人たちを襲撃。次々に仲間が喰い殺されて行く中、生き残った数人が屋敷を脱出、近くの修道院へ逃げ込むが、そこにもゾンビの群れが待ちかまえていた。

「ゾンビ3」ここが見どころ!

「ゾンビ3」道具を使うゾンビたち

それぞれ道具を手に団体で行動するゾンビたち

お薦めのゾンビ映画?取りあえず「ゾンビ3」!

 「お薦めのゾンビ映画は?」と尋ねられることが時々あります。
 以前にも、拙作を観てくださった有名なミュージシャンの方から直でメールをいただき、この質問にお答えしたことがありました。その時は私が傑作、良作と思う複数タイトルを、ゾンビ映画への興味が深まるような鑑賞順でお薦めしました。
 ただ、その中から特にお薦めの1本は?となると悩みます。
 先ずはゾンビ本来の魅力に触れるべきなので、基本走らないタイプがお薦め。基本中の基本として「ゾンビ」次に「サンゲリア」は真っ先に観ておくのが大前提です。ゾンビ好きなら観ていて当然な、言わば殿堂入りの2本です。
 なので問題はその次の一手。
 最近はあえて「ゾンビ3」でいいんじゃない?なんて思います。

名作「サンゲリア」のグロゾンビ

名作「サンゲリア」のグロゾンビ

ゾンビ=生ける屍の魅力を堪能

 大傑作「ゾンビ」と「サンゲリア」の後「ゾンビ3」でいいの?
 いいんです!
 脚本、演出、役者の演技、特殊メイク等、様々な点で少々稚拙さが目立つ「ゾンビ3」。でもこの作品は、本当に不気味な生ける屍で溢れています。
 ゾンビという存在の持つ本来の恐怖、動くはずのない、歩くはずのない死体が起き上がるという不条理な怖さ。「ゾンビ3」に登場するウォーキング・デッドたちは、この根源的な怖さを見事に体現しています。
 近年の作品、例えば「28日後…」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」以降のゾンビたちの持つ怖さって、狂暴な野獣が襲い掛かってくるような、身の危険を感じる恐怖感じゃないですか?
 「ゾンビ3」の生ける屍たちは野獣のように襲い掛かったりはしませんが、そこにいるだけでゾッとするんです。

「ゾンビ3」サンゲリアのそっくりシーン

「サンゲリア」の目に木片とそっくりなシーン

まるで粘土細工!あり得ない造形が不気味なゾンビ軍団

「ゾンビ3」のゾンビその①

 「ゾンビ3」のゾンビたちが際立って不気味なのは、その醜怪な造形によるところが大きいでしょう。
 腐敗し半ミイラ化したその姿は「サンゲリア」に倣ったもの。役者の肌に陶芸用の粘土を塗り付けるのが「サンゲリア」独特の特殊メイク手法。「ゾンビ3」もそれに近いメイク法だと思われます。
 ただし両者の完成度には雲泥の差が・・・
 人間の骨格を生かし自然な風化を再現した「サンゲリア」のゾンビたちに対し、「ゾンビ3」は骨格なんて無視。子供が自由にこね上げた粘土細工のような、あり得ないご面相のゾンビが大挙して登場します。その光景は「ゾンビ」や「サンゲリア」、「悪魔の墓場」など名作の中のリアルな屍の群れとは明らかに違う、まるでお化けの集団。この顔面のパースが狂いまくりの化け物たちが、生ける屍の非人間的な恐怖を醸し出しています。
 リアルさよりグロさを優先したような、完璧ではない造形が生み出した奇跡ですね。

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行動に一貫性無し!得体の知れないゾンビたちが怖い!

「ゾンビ3」道具を使い人を捕獲するゾンビ

道具を使い人を捕獲するゾンビたち

 ゾンビのあり得ない容姿のみならず、「ゾンビ3」は脚本や演出もどこか狂っています。
 脳味噌まで腐り果て、知性のかけらも無さそうな「ゾンビ3」の死人たち。
 ・・・なのに、急にそれぞれ武器を手にして攻めて来たりします。
 狙った人間の手首めがけて鉄の杭を投げ付け、見事命中させて壁に釘付けにする、なんて競技選手並みの離れ業をやってのけるゾンビまで登場。
 他にも、大勢でテーブルを囲んで座り、顔を伏せ人間のフリをして獲物を待つなど、行動パターンは全く予測不可能。知性に基づいて集団で行動してみたり、ただのバカゾンビだったり。この一貫性の無さも、期せずして、得体の知れない怖さを醸し出しています。

「ゾンビ3」修道士ゾンビ軍団

修道士ゾンビ軍団の襲撃

ゾンビ映画本来の怖さを楽しむなら「ゾンビ3」がお薦め!

「ゾンビ3」DVDジャケット

「ゾンビ3」DVDジャケット

 動くはずもない屍が起き上がり襲い来る。歩く骸の不気味さ。近寄るのもおぞましいグロテスクな化け物の集団が単純に怖い。
 ホラーの原点であるお化け屋敷的な怖さ、見世物小屋のいかがわしさ、そういう歩く死人の映画の原初の怖さを愉しむなら、この「ゾンビ3」はお薦めです。
 俊敏にジャンプして襲い来る危険な感染者も怖いけど、どうせ内臓まで貪り食われるなら、ウジ虫湧き放題の汚物のようなお化け軍団の餌食になりましょう!

「ゾンビ3」のゾンビその③

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