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日本のゾンビ映画最強作品「JUNK 死霊狩り」

映画「JUNK死霊狩り」イメージ画像です。

 ゾンビがメジャーで身近な存在になる以前、不気味で不条理なモンスターだった頃のスピリッツを持つ、日本製ゾンビ映画最強作品「JUNK 死霊狩り」の魅力について、私底抜けゾンビ映画監督深沢が熱く語ります!
 ゾンビ映画本来の、ホラーとしてのいかがわしさ漂う傑作です。

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ざっくり解説「JUNK 死霊狩り」はこんな映画

「JUNK 死霊狩り」
1999年 日本 83分(日本版VHS収録時間)
監督 室賀厚 
主演 嶋村かおり 岸本裕二
 日本初の本格ゾンビ映画!と銘打って公開され、ホラーファンの間で話題を呼んだ作品。実際その称号に相応しい出来映えの意欲作。
 和製「サンゲリア」または「サンゲリア2」とも呼ぶべきグロに徹したゾンビ映画。純粋に観客を怖がらせようとしていた80年代イタリアン・ゾンビを、日本独自の映画文化であるVシネマの世界観へ完全移植。
 醜怪なモンスターである生ける屍との血みどろ内臓まみれな戦いを存分に楽しめる、純粋なホラーとしてのゾンビ映画に仕上がっています。

「JUNK 死霊狩り」ストーリー

 舞台は沖縄郊外の廃工場内。在日米軍が開発した新薬の影響で食人ゾンビが大量発生。盗品を売りさばきにやって来た宝石強盗団の若者たちと地元のギャング、事態収拾のために派遣された軍人と医師らが次々に襲われ喰い殺されます。生き残った強盗団の男女は、ゾンビ殲滅のため工場の爆破を試みますが、知性を持つ狂暴な女ゾンビに行く手を阻まれます。

「JUNK 死霊狩り」ここが見どころ!

化け物度最強の「サンゲリア」ゾンビを再現

 本作に登場するゾンビは、外見、動きともに「サンゲリア」をかなり忠実に再現しています。目をつむり、手は下ろしたまま夢遊病者のようにゆったり歩きます。
 ただしゾンビの腐敗状況は、乾いたミイラ的な状態の「サンゲリア」に比べ、程良く水分を含んだ絶妙な腐り加減。鮮度では本家に勝ります。
 演出的にも、主人公らがゾンビの食人を始めて目撃するシーンは、「サンゲリア」の同シーンのカット割りと演出を再現しています。
 冒頭の新薬による死体蘇生実験のシーンも「サンゲリア2」の再現でしょう。ついでに言ってしまうと終盤、イタリアン・グロ・ゾンビの代表作「ミイラ転生 死霊の墓」を模したカットも出て来ます。
 全編スプラッターな見せ場満載ですが、その残酷描写は高度な特殊メイク技術により見事な出来映え。粘土細工のような手作り感が目立つ「ゾンビ3」「ナイトメアシティ」などのイタリアン・ゾンビに比べ、遥かにリアルです。

美女ゾンビの倒錯したエロティシズム

 「サンゲリア」タイプの夢遊病者風腐乱ゾンビたちの中に、1人だけ知性を残す女性ゾンビがいます。ゾンビ現象拡散を阻止しようと地獄へ乗り込む日本人医師の亡妻です。冒頭から全裸で登場する彼女は「スペース・バンパイア」でマチルダ・メイが演じた女性吸精鬼のよう。夫と再会を果たした彼女は思わず彼の名前を呼びます。でも人肉食の欲求を隠そうともしない彼女は、知性を残している分、その他大勢ゾンビたちより攻撃も激しく、危険極まりない存在です。
 可愛らしい顔立ちの全裸美女、でも、一枚皮膚をめくるとウジ虫がびっしり、という彼女の倒錯したエロティシズムは本作の大きな魅力のひとつ。映画後半、言わばゾンビ側のヒロインである彼女と、人間側のヒロインとの激しいバトルは作品の大きな見どころとなっております。

日本独自!Vシネマの世界にイタリアンゾンビを移植

 Vシネマと言えば、劇場用映画、いわゆる本編と呼ばれた作品より安めな印象。本作は劇場用映画ですが、Vシネマの味わいを感じさせる仕上がり。この雰囲気はあの時期の日本の低予算映画独特の味わい。くさい台詞、ちょっと気恥ずかしいハードボイルド、アクションを主体としたエンターテインメントとして楽しめる重過ぎない任侠の世界。
 同じく本格日本製ゾンビ映画「ステーシー」や、井口昇監督作品に見られるデフォルメされた残酷表現以前の、リアルなスプラッター満載の本作。「サンゲリア」に代表されるイタリアン・ゾンビ映画の毒を、日本独特のVシネマ的世界の中で描いた異色作です。

「死霊のはらわた」「ブレインデッド」的体育会系ゾンビも登場!

 80年代イタリアン・ゾンビ作品を彷彿とさせる「JUNK 死霊狩り」ですが、90年代の「ブレインデッド」等に見られる活発で狂暴なゾンビも登場します。
 前述の裸女ゾンビがまさにそれで、ジャンプして襲い掛かる、怪力で人を投げ飛ばす、とどめに頭を撃たれると「死霊のはらわた」ばりに奇声を発してのたうち回るなど、明らかに他のサング的死人たちとは別格の扱いとなっています。
 彼女の登場シーンは一転して何でもありのアクション・ホラー的展開になりますが、この辺はちゃんと時代の流れに乗ってますね。「サンゲリア」から20年。このサービス精神に溢れたホラー映画を、定番のゆったりゾンビのみで押し切ってしまっては時代遅れになったことでしょう。

やはり日本製ゾンビ映画最強作品!

 2016年の映画「アイアムアヒーロー」の登場で、国産本格ゾンビ映画のトップは入れ代わったか?と思いました。大予算をかけ、オールスターで製作された「アイアムアヒーロー」は素晴らしく完成度の高いゾンビ映画であり、ホラ-として、映画として完璧でした。
 でもこれはゾンビという存在が世界的に市民権を得た後の「みんなのゾンビ」的作品。「アイアムアヒーロー」にはイタリアの先達の作品が持っていた、あのいかがわしさと毒があまり感じられません。あまりにも高級。言わば表の神様ロメロの傑作「ゾンビ」の直系。
 一方、「JUNK 死霊狩り」にはあのヤバい感じがちゃんとあるんです。「ゾンビ」の偽続編ながらグロ・ゾンビ映画界の最高傑作に昇華した「サンゲリア」の直系です。
「ケレン味」とも呼ぶべきいかがわしさに満ち溢れた、あの頃の本物のゾンビ映画となると、今でも「JUNK 死霊狩り」が国内ナンバー1ではないかと、私、底抜け血みどろ監督は思ってしまうのです。

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