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カルトゾンビ監督がおすすめ!不気味なゾンビ映画3選

不気味なゾンビ映画3選イメージ画像

不気味さが際立つゾンビ映画を3作品、ゾンビメイクのタイプ別に紹介します。
(画像は拙作「地獄の血みどろマッスルビルダー」より)

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ゾンビメイクと不気味なゾンビ

ゾンビメイクはいろいろ

 近代型ゾンビ映画の元祖「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の白粉メイクゾンビに、「ゾンビ」(78年)の青塗り+傷口メイクのゾンビ。そして「サンゲリア」(79年)の粘土塗り上げメイク、他、アプライエンス(ラバー素材の人工皮膚)、フルフェイスマスク等々、ゾンビ映画は特殊メイク技術を駆使した不気味な死人であふれています。
 そんなゾンビ映画の中でも特に薄気味悪い生ける屍が登場する作品を厳選しました。

「凶暴で危険」よりも「ただ不気味」なのが怖い

 「ドーン・オブ・ザ・デッド」(04)や「28日後…」(02)以降、元気に走り出したゾンビたちはより危険度を増しましたが、その恐怖は凶暴な猛獣のそれに近いものがあります。
 そういった危険な存在としての恐怖以前の、ゾンビという不条理な存在そのものの不気味さを感じられるゾンビ映画3作品を、ゾンビメイクのタイプ別にご紹介します。

01 リアル死人タイプ「悪魔の墓場」

「悪魔の墓場」(LET SLEEPING CORPSES LIE)
1974年 スペイン・イタリア合作 94分(日本劇場公開時)
ホルヘ・グロウ監督 レイモンド・ラブロック主演

こんな映画

 G・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のカラー版を意識して製作された作品。「ゾンビ」以前に日本で劇場公開された近代ゾンビ映画です(クラシックなブードゥー・ゾンビ映画では英国ハマー・プロの「吸血ゾンビ」が66年に公開済み)。
 日本公開時には日本ヘラルド映画が配給。「悪魔のはらわた」「悪魔のいけにえ」に続く悪魔シリーズ第3弾として公開。

ストーリー

 ロンドンで骨董商を営む青年ジョージは、ふとしたことから知り合った女性エドナとともに郊外の田舎町を訪れる。そこで2人は血の気の無い不気味な男に遭遇、エドナの義兄がその男に殺されてしまう。
 ジョージは害虫駆除装置の超音波が原因で死人が蘇生していることに気付くが、警察は信じない。その後2人は墓地でゾンビ数人に襲われ、後を追ってきた警官が喰い殺される。
 ジョージは全ての殺人の濡れ衣を着せられながらも、エドナが入院した病院で、死体置き場から甦ったゾンビたちと戦う。

ゾンビメイクと不気味ポイント

完璧な塗りメイク

 塗りが基本のシンプルなゾンビメイクですが、非常にリアルに血の気の失せた死体の皮膚感を再現しています。加えて胸から腹まで大きく裂けた解剖の傷跡なども生々しく、この作品、ゾンビの薄気味悪さでは群を抜いています。74年の作品ながら、80年代以降の高度な特殊メイク技術を用いたゾンビよりはるかに不気味。メイクを担当したのは後に「サンゲリア」で画期的なゾンビメイクを考案するジャネット・デ・ロッシ。

演技も完璧

 役者陣の身体が硬直したようなスローモーな動きと、焦点の合わない目つきなど表情の演技も完璧。墓場で内臓を喰らう老婆の薄気味悪さは「ゾンビ」「サンゲリア」よりも上。
 墓石を引き抜いて放り投げるほどの怪力ということもあり、ノロノロ歩きの旧世代タイプの中では最も恐ろしく、絶対に近付きたくないゾンビたちです。 

02 ほぼノーメイク「メシア・オブ・ザ・デッド」

「メシア・オブ・ザ・デッド」(MESSIAH OF EVIL)
1973年 アメリカ 89分
ウィラード・ハイク グロリア・カッツ監督 マリアンナ・ヒル主演

こんな映画

 陰鬱なムードが漂う70年代らしいホラー。全編ひたすら暗いです。見知らぬ町で死のイメージに付きまとわれる名作ホラー映画「恐怖の足跡」の厭な感じに、同じく名作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の人喰いゾンビ・テイストを加味したような作品。
 ただし内容と世界観はH・P・ラブクラフトの怪奇小説のよう。太古の邪神を崇める邪教の司祭が町を訪れる時、住民たちは生きながらにして徐々に屍と化してゆきます。この作品のゾンビは死後甦るのでもなければ、噛まれて感染するのでもありません。その町にいるだけで、知性を残したまま感覚を失い異質な存在と化してしまいます。
 人喰いシーンは多いものの、残酷描写はおとなしめ。内臓を引きずり出す、人肉を食いちぎるといった直接的表現は皆無。ただショッピングセンターで押し倒された人にゾンビが群がる画づらは、「ゾンビ」(78)で暴走族がゾンビに喰われる場面にソックリで、思わず製作年を再確認してしまいました。
 監督・脚本の2人は、後に青春映画の名作「アメリカン・グラフィティ」、そして「インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説」の脚本家として知られることになります。

ストーリー

 連絡が途絶えた父の安否を確かめるため、海辺の田舎町を訪れる娘。しかし訪ねた住居に父の姿は無く、町の住民たちはどこか挙動がおかしい。
 娘は父が書き残した日記から、この町に伝わる奇怪な伝説を知る。太古の邪神を崇拝する闇の司祭が海から訪れ、住民たちを異質な存在に変身させる、というのだ。父は既に変身が始まってしまったらしい。
 娘は旅行で町を訪れていた青年と親しくなり、家に泊めてともに父の帰宅を待つ。しかし既に町中で変身が拡がり、食人鬼と化した住民たちが集団で人を襲っていた。
 そして娘と青年にも、変身の兆候が現れ始める。目や耳からは血がしたたり、刃物で皮膚を傷付けても出血せず、痛みも感じない。
 そんな2人に狂気の群れと化した住民たちが襲い掛かる。

ゾンビメイクと不気味ポイント

メイク不要

 ほぼノーメイク。一部ゾンビはうっすらと青白く塗っているようにも見えますが、フィルム画質では判別困難なレベル。完全にノーメイクのゾンビも見受けられます。そんな普通の町の住民が無表情で人を押し倒し、生きた人間の肉をむさぼり喰います。仲間の死体にまで群がりムシャムシャ食べ始める普通の人々はかなり不気味です。
 閉鎖的な田舎町のよそ者を嫌う風潮とも相まって、地味だけど何とも厭な感じの居心地の悪さが漂うゾンビ映画です。

気付けば自分の内からも・・・

 更にこの映画が厭なのは、その町にいるだけで、自分も生きながらにしてゾンビ化が始まってしまうところ。気付くと目のふちから血が流れている。腕に針を刺しても何も感じないし血も出ない。口に違和感を覚え吐き出してみるとゴキブリに蛆虫。知性を残したまま身体だけが死んでゆきます。

03 作り物顔が不気味過ぎる「ゾンビ3」

「ゾンビ3」(THE NIGHTS OF TERROR)
1980年 イタリア 86分(日本初回発売ビデオ版)
アンドレア・ビアンキ監督 カリン・ウェル主演

こんな映画

 「サンゲリア」(79)の明らかな亜流作品。似通った演出が多数見受けられます。ただし演出センス、役者の演技、特殊メイク技術等、あらゆる面で本家よりレベルは落ちます。その分サービス精神は旺盛で、ミイラ化、あるいは腐乱して蛆虫まみれの醜怪なゾンビが続々登場。人喰いやゾンビの人体破壊など、残酷描写をこれでもかと見せ付けます。グロ描写の徹底ぶりは本家「サンゲリア」以上。分かりやすかった「サンゲリア」よりも更にシンプルな内容で、作品中のグロ・シーン密度は極めて高いです。
 80年代イタリアンゾンビ映画を代表する1本。
 特殊メイクは「サンゲリア」のジャネット・デ・ロッシに似た名前のジノ・デ・ロッシ。

ストーリー

 考古学者が洞窟の中で古代の遺跡をいじくってしまい、ミイラ化したゾンビが大量発生。郊外の屋敷に集まっていた男女数人と子供1人がゾンビの襲撃を受け、次々に喰われる。
 屋敷へ侵入しようとするゾンビたちとの攻防は一晩中続き、生き残った男女4人は翌朝屋敷を脱出。近所の教会へに逃げ込むが、既にそこもゾンビの巣窟と化していた。

ゾンビメイクと不気味ポイント

粘土で捏ね上げた非人間的なお化け顔

 ゾンビの姿は「サンゲリア」に倣っているものの、そこから更に腐敗とミイラ化が進んで崩れた感じ。腐れ果てていてミミズや蛆虫まみれです。
 メイク技法はおそらくフルフェイスマスク着用か、「サンゲリア」に倣い粘土状の素材を塗り上げているようです。この造形がかなりいい加減。人間の骨格とかはあまり考証せず、フリーハンドで不気味なゾンビ顔をクリエイトしています。粘土細工感が強く、表情など一切無し。まるで泥人形です。結果的にはこの人間離れした作り物の顔が、人でないものが歩き回っている不条理な恐怖と不気味さを醸し出しています。
 「サンゲリア」の翌年、2匹目のどじょうを狙って製作されたと思われる本作ですが、特殊メイク技術、センスともに少々劣ったことにより、かえって化け物じみたゾンビが登場する不気味なホラーに仕上がりました。
 顔面のバランスがおかしいお化けの群れが、ひたすら汚らしく人を喰い散らかす。加えて古臭くてわざとらしいBGMが妙におどろおどろしく、役者たちの演技もオーバーでどこか不自然。鑑賞後何かヤバいものを見た感が残る、不気味なゾンビ映画の決定版です。

ゾンビ地獄にどっぷり漬かってください!

 以上、カルトゾンビ監督深沢真一がお薦めする「不気味なゾンビ映画3選」でした。
 登場するゾンビのみならず映画自体不気味、という怪奇ムード満点なゾンビ映画を集めてみました。
 「悪魔の墓場」「ゾンビ3」は、日本のゾンビマニアの間でも長く愛され続けてきた名作です。「メシア・オブ・ザ・デッド」は・・・少々通好みかも知れませんね。
 いずれも純然たるホラー映画ばかり。本気で怖がらせようとしています。陰鬱なゾンビ地獄にどっぷり漬かれること請け合いです。

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