ドイツのスプラッター・ホラー映画監督、アンドレアス・シュナースの初期ゾンビ映画。
人とゾンビがひたすらバラバラにされ、血と内臓が汚くぶちまけられ続けます。
ほぼそれだけです。
映画的にはアマチュアレベルですが、監督さんがもの凄く頑張ったのは良く判ります。
「ゾンビ2001 ザ・バトルロワイアル」ストーリー
「ゾンビ2001 ザ・バトルロワイアル」
(ZOMBIE‘90 EXTREME PESTILENCE)
(1990年 ドイツ 80分)
監督・脚本 アンドレアス・シュナース
(アメブロ「地獄のゾンビ劇場」からの移行記事です)
森林地帯に化学兵器を積んだ軍用機が墜落。
ゾンビが大量発生し、
周辺の人々を襲ってはむさぼり喰います。
一応の主役である、この現象を研究する医師が、
病院でゾンビを解剖して何か調べ、
外へ調査に出てゾンビとたわむれ、
また病院へ戻ってゾンビを解剖して何か調べ、
「ゾンビが増えたので退治に行こう!」
とか言い出してまた外へ出てチェーンソーでゾンビを切り刻む。
そんなことを繰り返すだけのお話。
その合い間合い間に本筋とは全く関係の無い人々が、
そこら辺の道端でゾンビたちに襲われては、
刃物で切り刻まれ、内臓を引っ張り出され、
やたら汚くむさぼり喰われて死んで行きます。
「ゾンビ2001 ザ・バトルロワイアル」はこんな映画
アナログビデオで撮った軽めな映像の自主製作映画。
登場するゾンビはノロノロ歩きの典型的なリビングデッド。
走らないタイプです。
ただし人を襲う時、凶器を使います。
チェーンソー、ナタ、オノ、包丁、ハンマーなどなど。
ゾンビメークは肌の塗りのみ、
もしくはペースト状の素材を塗りつけたり、
簡単なアプライエンス(特殊メイク用のラバー製の皮膚)を貼り付けたり。
一応、話の流れはあるものの、ドラマ性はほぼ皆無。
人体の破壊、切断、血飛沫、そして人肉&内臓喰いの連続。
人体ダミーを使った残酷描写をひたすら披露。
それが目的の作品。
ストーリーは二の次です。
ある意味潔いですよ。
ただし、アナログビデオ撮りの上、
編集が甘く少々間延びしているため、
せっかくの特殊効果もチャチに見えます。
せっかく作ったダミーだから、せっかく撮った映像だから、
出来るだけめいっぱい本編に使いたい、
というのがアマチュア心理なんですよね。
で、ついつい長々と見せ過ぎちゃいます。
プロは必要最低限の尺しか使いません。
(昔のお話。最近のアマチュアは洗練されてます)
でも「ブレインデッド」以前にここまでやったのだから、
本当にたいしたものだと思います。
ちょっと手作り感溢れちゃいまいたが。
ところで私は、映画の中で幼い子供や、
妊婦、胎児などを攻撃対象にすることが大嫌いです。
この作品にも、ゾンビが乳児の頭をもぎ取り、
体を真っ二つに引き裂く酷い場面があります。
しかしそこに映し出されていたのは、
いい年をしてキューピー人形をもてあそぶ大人の男の姿でした。
怒る気にもならないとはこのことです。
名作「サンゲリア」にオマージュを捧げた、
「ブルックリン大橋を渡るゾンビ軍団」の場面もあります。
「サンゲリア」のあの衝撃のラスト。
似たような橋を見つけて再現しています。
ただ本作では特に意味が無いので、単なるゾンビの行列ですが。
あと気になる点が一つ。
前半、主役の医者は、
同僚の医者と行動を共にしてます。
2人の会話は全てアフレコ。
主役の声はやたら低音、同僚はやたら高音。
そして2人同時に声を発することはありません。
・・・・・・・
間違いなく同一人物が声をアテています。
ニヤケ顔でボソボソ口を動かしている同僚の方は、
とてもまともにセリフなど言えそうもないので、
おそらく主役が声色を使い分けているのでしょう。
まあ、自主映画ではよくあることですが。
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