「新ゾンビ」最強のスプラッター・ゾンビ映画

映画「新ゾンビ」イメージ画像 ゾンビ映画

 頭部破裂と人体バラバラの特盛り大サービス!頑張った感満載な手作りのスプラッターが楽しい!アナログ時代の高密度血みどろゾンビ映画、汚い方の決定版!(ちなみに綺麗な方はもちろん「ブレインデッド」)

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ざっくり解説「新ゾンビ」はこんな映画

「新ゾンビ」(原題・PREMUTOS)
1997年 ドイツ 106分(VHS版収録時間)
製作・監督・脚本・特殊効果・出演 オラフ・イッテンバッハ 主演 アンドレ・スターイ

ドイツのスプラッター名物男による俺流「ブレインデッド」

 ビデオ撮りの生々しい映像で凄まじい殺戮をこれでもかと見せつけた、衝撃のインディーズホラー映画「バーニング・ムーン」。その生みの親オラフ・イッテンバッハが描く、全編スプラッター満載のフィルム撮りゾンビ映画。1992年公開ピーター・ジャクソン監督作品「ブレインデッド」が極めた人体破壊エンターテインメントを、自己流特殊効果で泥臭く実現させて見せた血みどろ超大作。

「新ゾンビ」ストーリー

 人類の歴史の中、幾度となく転生を繰り返しては、戦争や疫病など、様々な災いを招いてきた堕天使プレミュートス。
 死者を蘇生させ、世界を地獄に変えるこの恐ろしい悪魔が現代に復活!
 とある一般家庭のお父さんのお誕生日会が、血みどろの地獄と化します。

 お父さんが自宅のお庭から掘り出した謎の書物と薬品。実はこれ、死者を蘇生させる秘薬とその指南書。その家のお兄ちゃんが書物を読み、更に何故だかうっかり股間に薬品をかけてしまい化け物に大変身。それをきっかけに町中あちらこちらでゾンビが大量発生。群れをなして人々を襲っては人肉を喰らいます。
 お父さんのお誕生日会も襲撃を受け、集まっていた仲間の中年男女数人が、狭い家の中、脱出しようともせずにゾンビと死闘を繰り広げます。
 そしてついに、修羅場と化したおうちの中、折り重なる死体の山から、悪魔プレミュートスが復活を遂げるのでしたが・・・

「新ゾンビ」ここが見どころ!

スプラッター最優先の展開で血みどろ大サービス

 冒頭いきなり首がちぎれ飛び、死体がゴロゴロ、ゾンビも蔓延る血みどろの戦場からスタートします。でもこれ大昔のシーン。続いてゾンビを作る変なおじさんと村人たちの流血沙汰が始まりますが、これも別の時代の過去のシーン。
 ようやく現代のお話になっても、最初主人公かと思われたお兄ちゃん(監督イッテンバッハ御本人)が度々気絶しては前世の夢を見たりして、歴史上の凄惨な殺戮描写をこれでもかと挟み込みます。
 で、後半からお待ちかね、狭い民家の中で怒涛のスプラッター大会が始まるのです。
 そんな感じで出来る限り沢山スプラッターを投入するための無理矢理な構成。なので内容はかなり浅めです。名作「ブレインデッド」のようなしっかりしたキャラクターや人間ドラマは描かれません。気付けばイッテンバッハ青年も引っ込んで、代わりに冴えない中年男が主役に昇格してますし。

スプラッター愛満載

 銃撃と血飛沫過多な着弾、人体切断、人喰い、頭部破裂、果ては全身破裂まで、徹底的に見せる高濃度スプラッター。他に類を見ないくらいの密度で見せまくります。
 血糊と肉片の物量では「ブレインデッド」に匹敵、もしくは凌駕しているかも知れない大量人体破壊エンターテインメント。
 「ブレインデッド」の計算され、洗練された、技術的にもハイレベルなスプラッターと比べると、正直同じような描写の連続ですし、手作り感あふれる泥臭い仕上がりの「新ゾンビ」。でも血みどろへの執念を感じるのは断然こっちです。

手作りでもリアルなスプラッター

 CGではない手作業によるスプラッターは生々しいものの、時に作り物じみてしまいがちですが、「新ゾンビ」の頭部破裂や首の切断はリアルで迫力があります。見せ方が上手いんですね。
 テクニックとしては、直前まで役者本人を見せておいて、破裂する瞬間に同じカメラポジションのままダミーに切り替えます。この時、破裂前の素のダミーの画を見せず、破裂しかけた部分からつなぐのが味噌です。

スプラッターを見せるための映画

 ヒロイン(?)の中年女性が床に倒れたゾンビを斧で攻撃する場面。寝転がって動けないゾンビの四肢を、ヒロインが斧で細かく分断して行きます。手足をバラし終えると、そのまま胴体を破壊。内臓がグチャグチャはみ出します。その間周囲を行き交うゾンビはヒロインを襲いません。ゾンビ映画の常識として、最初から頭部を狙えば?と思ってしまいますが、いえいえ、ここは足の先から順々にバラすのです。ヒロインが変態だからではありません。監督がバラバラ&グチャグチャを見せたかったからです。
 見せたいものがこれ以上ないくらいハッキリしていて素晴らしい!凄いスプラッターをいっぱい見せたい!そんな監督の血みどろ愛あふれる入魂の作品。
 これだけの作業量を自らこなした特殊効果も担当の監督を称賛したいです。

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