ミリタリーマニアのオジサンたちが楽しく撮ったようなゾンビ映画、
「レジェンド・オブ・ザ・リビング・デッド」について詳しく解説しております。
「レジェンド・オブ・ザ・リビング・デッド」
(CROSS CLUB THE LEGEND OF THE LIVING DEAD)
(1999年 ドイツ 92分)
「レジェンド・オブ・ザ・リビング・デッド」ストーリー
ミリタリー・マニアのオジサン数人が、
無人島の廃墟で戦争ごっこ。
その傍らでノーメイクのゾンビが内蔵をムシャムシャ。
世間は連続殺人事件に大騒ぎ、とのことで、
困ったもんだと顔をしかめるハゲでデブでチョビ髭の中年男性。
まさかとは思いましたが、このハゲデブヒゲが主人公です。
このハゲデブは養父と暮らしてるんですが、
こちらもおデブ中年なもんで、
一体、どっちが親でどっちが子なんだか。
さてハゲデブは予言者のお告げに従い、
スペインの孤島へ向かいます。
その島に連続殺人の謎を解く鍵があるのだとか。
予言者は秘密の古地図をくれるんですが、
明らかにインクジェットで出力したあんまりな代物です。
ハゲデブは友人1名とともに島へ。
この友人も中年ですが、見た目はまあまあ。
何故こっちを主役にしなかったの?
戦争マニアだと思われるこの中年2人、
島に着くや、謎の敵と楽しく無意味に銃撃戦。
戦利品として変な物質を持ち帰ります。
この変なのを研究室で分析してもらったら、
これがなんと死体を甦らせる薬品。
となると連続殺人の犯人はゾンビ?
とその時、突然テレビ放送が電波ジャックされ、
画面にカルト教団の教祖が登場。
「えー、連続殺人はゾンビの仕業です。
私が甦らせました。
そんなわけで世界は私が征服するということで」
と全真相を発表。
島まで出向き、
戦ったり遊んだりいろいろ調べたりしたハゲデブらの努力は水の泡です。
カルトの恐るべき陰謀により大変な事になりましたよ!
街にはゾンビが溢れ世界は大パニック!
・・・らしいですよ。
この大パニックの模様は、
田舎道や原っぱをヨタヨタ歩くエキストラ数人の映像と、
「そこら中化け物どもで一杯だー!」
という登場人物のセリフのみで見事に表現されています。
ハゲデブは友人2人を伴い、
ヘリで教団のアジトのある島へ。
颯爽と島に降り立つ、迷彩服に身を包んだ中年男3人。
教団の手先と撃ち合ったり手榴弾を投げ合ったりして盛り上がり、
ランボー気分でアジトへ乗り込みます。
きっとこれが一番やりたかったのでしょう。
島のそこかしこにはゾンビがいまして、
死体の内臓などを食べてますが、
あんまり襲って来ません。
また、皆さんノーメイクのようです。
そんなゾンビらを適当に射殺しつつ先へ進む中年ランボー達。
途中、ちょっと敵に捕まってみたり、
大爆発からスレスレでジャンプしてみたり、
なんかもう、やりたい放題です。
そして物語は衝撃のクライマックスへ!
ネタバレ気味のラストはページ最下部に。
自己責任でお読みください。
「レジェンド・オブ・ザ・リビング・デッド」はこんな映画
アナログビデオ撮り作品。
完全に自主映画でしょう。
着弾や爆発にはCGを多用。
30~40代位の仲間内で楽しく撮ったのではないかな?
全編に渡り、中年オジサンだらけの状況が続きます。
重要な情報はほとんどセリフで説明。
ゾンビは完全に添え物。
基本的にノーメイク。
それじゃさすがにマズいと思ったか、
ラストに登場するゾンビ数人のみ、
顔を真っ白に、目の周りを真っ黒に塗ってます。
パンダメイクですね。
このゾンビ達、決してアップになる事はありません。
パンダですから。
常に遠巻きに撮影されています。
でも皆さん思う存分ランボー出来たし、
なんだかとっても楽しそう。
良かったね。
良い思い出になったね。
ネタバレ気味なエンディング
※ 以下、真相と結末に触れています。
これから鑑賞される方は十分ご注意ください。
ハゲデブは敵のアジトでなぜか養父とバッタリ出くわします。
その養父が、
「フッフッフッ」
と顔面をベロンとめくると、
マスクの下はなんとカルトの教祖。
「実はお父さんはカルトの教祖様だったのです!」
えーとつまりこの養父、
普段はゴムマスクで別人に変奏し、
三十何年間か主人公の父として暮らしてきたのです!
・・・
絶対に不可能な気もしますが、
人間、やれば出来る!
でまあ、なんやかんやありまして、
教祖喰われて一件落着!
世界中のゾンビはそのままですがね。
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