猿人にエイリアンにゾンビ。
疾走する列車の中での連続殺人。
一昔前のＳＦ・ホラーの人気要素をふんだんに盛り込んだ豪華な作品、
「ゾンビ特急地獄行～ホラーエクスプレス」の見どころ解説ページです。
「ゾンビ特急地獄行」
（HORROR EXPRESS)
（１９７２年 ８４分 スペイン・イギリス）
出演 クリストファー・リー
ピーター・カッシング
テリー・サバラス
「ゾンビ特急地獄行」ストーリー
主演のホラー・スター３人
ドラキュラ役者として有名なクリストファー・リー扮する学者が、
中国で氷漬けの類人猿を発見、汽車でイギリスへ運びます。
このお猿が蘇生し、車内で人を殺します。
お猿が目をピカーッ！と赤く輝かせると、
目が合った人間は白目を剥いて死んじゃうのです。
（実はこの時、脳内の情報も奪われてます）
目が赤く光る猿人のゾンビ
ところで、この列車にはヴァン・ヘルシング役で有名な、
ピーター・カッシング扮する学者も乗り合わせてまして、
リー先生と対決して欲しいくらいな豪華な状況です。
カッシング先生が被害者の死体を解剖すると、
なぜか、脳味噌が杏仁豆腐のように真っ白ツルツル。
「人間の脳は記憶が増える度にシワが刻まれてゆく。
だからこの被害者は記憶を全て奪われている！」
とカッシング先生。
「記憶が脳のシワになる」
って思いっきり俗説だったハズですが、
格調高い顔立ちのカッシング先生がおっしゃるのですから、
記憶は脳のシワです。
で、犯人のお猿ですが、
実は実体を持たないエイリアンが憑依しています。
何でも太古の地球に宇宙から飛来して、
恐竜とかに憑依して生きてきたのだそうです。
で、氷漬けに。
お猿は刑事に射殺され、
死の瞬間エイリアンはお猿から刑事へ、
そして刑事から神父へと乗り移ります。
途中、事件を知ったコザック隊が、
どやどやと汽車へ乗り込んで来ますが、
エイリアン神父が目をピカピカさせると、
あれよあれよと言う間に全員白目を剥いて死亡。
その後ついにリー先生が神父を追い詰め、銃口を向けると、
神父は言います。
「私は太古の時代から地球で生きてきた。
だから地球の歴史は私の歴史だ！」
でも確かコイツの歴史って類人猿どまりじゃなかったっけ？
その後氷漬けだし。
続けて神父は、
「なので私を殺すと地球が滅びるぞ！」
地球が滅びる？
コイツが死ぬと？
な、なんで？？？？？
更に、
「えーと、私を生かしておけば、
なんと地球上から飢えや病気が無くなります！！！」
？？？？？
もはや助かるためなら、
どんなデタラメでも並べ続けるエイリアン神父。
リー先生も困惑＆思考停止状態。
そこですかさず、
「ちょっと待ってて、今仲間のエイリアンを呼びますからね」
と、とんでもないことをサラッと言う神父。
なに！？宇宙から仲間を呼ぶ！？
そんなこと言われて待ってられるか！
と思いきや、
待っているリー先生。
次の瞬間、
車内のそこら中に転がっている、
白目の死体がいっせいに起き上がりまして大ピンチです。
「ゾンビ特急地獄行」はこんな映画
このゾンビ、目は見えないのですが、
刃物など振り回しながら、結構な勢いで襲い掛かって来るので危ないです。
白目のゾンビの顔が変です。
目が飛び出していて異様な感じ。
と言うのもこの白目のメイク、
「死霊のはらわた」のようなコンタクト方式ではなく、
目の上にパテか何かでまぶたを増設しまして、
白目の義眼を埋め込むという方法。
従って奥目がちな西洋人の皆さんも、
死ぬと西川きよし師匠のような状態になります。
出目です。
この、まぶたの上に義眼を貼り付けるというメイク法は、
エイリアンに憑依された人の目が光る場面でも使用。
なので、目が光るカットだけ突然出目になってしまい、
まるで別人です。
不自然な白目の死体
氷漬けの猿人がゾンビ化して超能力で殺人。
太古のエイリアン。
白目で出目の異様なゾンビ軍団。
ホラー界のスター３人。
とにかく楽しい道具立てで一杯なホラー映画でした。
ちなみにエイリアンの正体は実体の無いエネルギー体ということなんですが、
憑依されたエイリアン神父、
死の危機が迫ると、
「びえぇぇぇーんっ！」
と物凄い形相で怖がり、
なんだかとても人間臭く、ちょっと可哀相でしたよ。
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