邦題、原題ともにゾンビ映画風タイトルな吸血鬼ホラー、
「ゾンパイア」の見どころ解説ページです。
「ゾンパイア」
（ＣＲＹＰＴ ＯＦ ＴＨＥ ＬＩＶＩＮＧ ＤＥＡＤ）
（１９７３年 アメリカ ８１分）
「ゾンパイア」ストーリー
蘇った吸血美女
その昔、吸血鬼の巣窟だったと伝えられている島。
島の地下納骨所には、
７００年間前の女吸血鬼が閉じ込められている棺があります。
悪者達の企みにより棺の蓋は開かれ、吸血美女が復活。
このお姉さん（７００歳代なのでお婆さん？）、
普段は棺の中でおとなしく死んでまして、
夜になると狼に変身。
近所の飼い犬を襲ったりして力を蓄えます。
狼といっても普通の犬にしか見えない、
というかもう普通の犬なので、
吸血鬼の恐怖！とか言っても、
映像的には、「今日のわんこ」のような有り様です。
主人公は島で死んだ父を弔うためにやって来た青年。
悪者に騙され、
期せずして吸血美女の復活に手を貸してしまいます。
充分に力を得て、遂に完全復活を遂げた吸血美女は、
島の中をうろつき晩ごはんを物色。
数人の島民が地味に血を吸われます。
でまあ、なんだかんだで主人公の青年と吸血美女が対決します。
青年がえいっ、とランプを投げ付けると、
吸血美女は簡単に燃え上がり、崖下に転落して行くのでした。
めでたしめでたし
・・・ではなく、
この後、ちょっとだけ見どころあり！
↓ネタバレありなエンディングは、ページ最下部に↓
※未見のかたは自己責任でお読みくださいませ。
「ゾンパイア」はこんな映画
吸血鬼と化した犠牲者
日本版ビデオタイトルが
ゾンパイア！
ゾンビ＋バンパイア！
「ゾンゲリア」式ですね。
そして原題が、
「生ける屍の地下納骨所」！！！！！
これはもう、面白くならないわけがない！
・・・はずなんですが・・・
タイトルだけゾンビ映画風のクラシカルな吸血鬼ものでした。
ジャケ裏の解説には、
ハマーホラーへのオマージュ、みたいな事が書かれてます。
実際は、ハマーホラーを地味に、おとなしめにした感じ。
荒涼とした島の景色や地下納骨堂のセットなど、
いかにも怪奇映画な雰囲気は全編に漂ってるんですが。
正直怖くも面白くもありませんでした。
派手なスプラッター描写などもありません。
クライマックス、
女吸血鬼が火だるまになって崖から落ち、
このまま地味に終わるんだな、
と思いきや、
最後の最後にグロい特殊メイクの見せ場が一つ用意されてました。
これは良かったですね。
ホラー映画、ゾンビ映画ファンが楽しめるのはここくらいかな。
あと、日本版ビデオのライナーが面白いです。
この古めかしい怪奇映画をホラービデオブームの世に売り込むため、
核心に触れず、
なんとか良い所を見出そうと苦心した跡がありありと見て取れます。
満月に関係なく狼に変身するところが、
「ハウリング」と相通じるんだそうですよ。
ずいぶん無理な所から持ってきましたね。
ネタバレ結末！未見のかたは閲覧注意！
炎に包まれ崖から転落した吸血美女。
青年と島民達が下へ降りてみますと、
美女はもうすっかり燃え尽きちゃって真っ黒焦げ。
と思ったら突然起き上がる吸血美女、
というかもう美女ではなく、
その顔はグチャグチャドロドロのバーベキュー状態。
リック・ベイカーの「溶解人間」を雑にしたような感じですね。
近寄る島民達に喰らい付こうと襲いかかる吸血（元）美女。
ひえ～こっち来んなよ、ブス！
と松明の火で追い立てる島民達。
男どもに取り囲まれ、
次第にオロオロし始める女吸血鬼。
なんか哀れですよ。
これは・・・イジメ？
そして遂に元美女の吸血姉さんは、
泣きます。
え～んえ～ん、と声を上げて泣き始めます。
これはほんとに可哀そう！
いくら吸血鬼とはいえ、
大ヤケドを負ったばかりの人（？）を、
寄ってたかっていじめるのは多分良くありません。
男たちの間に気まずい空気が流れます。
チャンス！
とこの期を逃さず狼への変身ポーズを取る吸血姉さん。
ハッと我に返った主人公、
えいっ、と吸血姉さんに杭を突き刺すのでした。
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