「スペース・ゾンビ 吸血ビールス大襲来」最もゆるいゾンビ映画かも?

映画「スペース・ゾンビ 吸血ビールス大襲来」イメージ画像。 ゾンビ映画

アメリカの田舎町で町民協力のもと製作されたゆるいゾンビ映画、
「スペース・ゾンビ 吸血ビールス大襲来」について解説します。
(アメブロ「地獄のゾンビ劇場」からの移行記事です)

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「スペース・ゾンビ 吸血ビールス大襲来」ストーリー

「スペース・ゾンビ 吸血ビールス大襲来」
(BLOODSUCKERS FROM OUTER SPACE)
(1983年 アメリカ 79分)

アメリカ、砂漠地帯の田舎町を謎の突風が吹き抜ける。
この風にさらされた者は吐血して絶命し、
その後、吸血ゾンビとなって甦る。
宇宙から風と共に飛来した目に見えない知的生命体が、
人間の体内に侵入、宿主を吸血人間に変えていたのだ。

ひょんなことから知り合った若いカップルが、
町の様子やゾンビ現象について調べたり、
ゾンビとゆるく戦ったりする。

気付けば町の住民は主人公のカップル以外全員ゾンビ化。
2人は車で町からの脱出を試みるものの、
ついにあの突風に見舞われてしまう。

「スペース・ゾンビ 吸血ビールス大襲来」はこんな映画

演出といい、演技といい、
全体的にのんびりとした、ゆるいゾンビコメディです。

オープニングは最初の犠牲者のゾンビ化シーン。
未知の生命体が人間を襲う描写は、
ビュ~!、という風の音のみ。
風に吹かれた者は、
「うわあ、凄い風だー」
というパントマイムの末、
ドバー、と吐血して死亡。
しばらくしてから、体を起こし、
「がおおおう」
と唸り、
「どうだ、怖いだろう」
とでも言いたげなポーズを取って凄みます(カメラ目線)。
これでゾンビ化完了。
作品のトーンを象徴する和やかな滑り出しです。

主人公は若いカップルですが、
コミカル路線を狙ってるせいなのか、
この2人には全く緊張感がありません。
というかこの2人に限らず、
人間もゾンビも、登場する者全員がどこかのんびりしてます。

ゾンビと口論の末、おもむろに戦い始める主役の青年。
その様子を、別のゾンビと並んで見ているヒロイン。
その時のヒロインの表情にセリフを付けるとすれば、
「あ~あ、まったく見てらんないわよ」といった感じでしょう。
戦いの方もダラダラしていて緊迫感はゼロ。

青年の兄が殺されても2人のバカップルぶりは変わらず。
兄の死を知った直後にジョークなど言いながらカーセッ○スです。

一応軍や政府なども絡んできますが、
アメリカ陸軍は、どうやら人員2~3人で運営されている模様です。
また、政府の化学研究施設はどう見ても地元の学校です。

ゾンビに襲われた者は、一滴残らず血を吸われて死亡。
その後甦ったりはしません。
つまり伝染性は無し。
ゾンビメークですが、
肌を青白く塗り、その上に青い血管を描くだけです。

スプラッターな見せ場は、
ナタでゾンビの腕を切り落とす。
チェーンソーでゾンビの頭を切り落とす。
の2か所のみ。
適当にグチャグチャにした切断面に血糊を付けて、
チューブでピュー、と血を噴き出させるだけです。
メイクも特殊効果も超手作り感。

素人の地元住民も多数出演協力した、町興し感覚の作品ですね。
全体の印象としては、
田舎の余興で作られたような、のどかなゾンビ映画です。
恐くなく、
笑えもしませんが、
気楽に観られることだけは保証します。

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