巨大な猿人の襲撃!引きちぎられる首!彷徨い歩くゾンビの群れ!美女の心臓を喰らう醜怪なエイリアン!顔面の皮膚が不気味に蠢く変身特殊メイク!そして綺麗なオッパイに次ぐオッパイ!・・・と、もう全編80年代ホラー映画の美味しいエッセンスが満載!
なのに!・・・なぜかイマイチ物足りないホラー映画「エイリアン・ゾンビ」の面白い所を無理矢理見つけまして、私カルトホラー監督深沢真一が愛を込めて解説します!
ざっくり解説「エイリアン・ゾンビ」はこんな映画
「エイリアン・ゾンビ」(原題・DEMONWARP)
1987年 アメリカ 92分(日本版VHS収録時間)
監督 エメット・オルストン
主演 デビッド・マイケル・オニール
一番の印象としては、着ぐるみの猿人が森の中で大暴れして人を殺しまくる映画。
後半になり、ゾンビやエイリアン、宇宙船、特殊メイクによる変身等々、アナログSFXを駆使した80年代SFホラーっぽい展開を見せます。
「13日の金曜日PART7新しい恐怖」の監督で特殊効果マンのジョン・カール・ビュークラーが原案とモンスターデザインを担当、有名俳優のジョージ・ケネディが出演している、という2点が宣伝上、大きな売りのようで、VHSのジャケにもしっかり記載されていますねえ。それで観客の心が動くことは多分無いと思いますが。
「エイリアン・ゾンビ」ストーリー
森のコテージを訪れた若者たちを、いきなり猿人が襲撃。
生き残った主人公の青年は、
同じく助かった女子2人(内1人は恋人)を引き連れ、森からの脱出を試みます。
青年らは森の中で他のグループと合流するも、再び猿人が襲撃。
青年はぶっ飛ばされて気絶。
脇役全員死亡。
青年の恋人は猿人にさらわれます。
一方、猿人に殺された人々はなぜかゾンビ化、とぼとぼと森の奥の洞窟へ向かいます。
目が覚めた青年もゾンビの後を追い洞窟へ。
洞窟へ入るなり襲い掛かって来た例の猿人をアッサリ銃殺する青年。
すると猿人は死に際、人間の姿に。
実は洞窟の奥にエイリアンが潜んでいて、毒針を人に刺して猿人に変身させていたのです。
猿人はエイリアンの手先となり森で人々を殺害。
殺害された人々はゾンビ化し洞窟へ集合。
ゾンビたちはエイリアンに操られ、労働力として洞窟内で宇宙船を建造させられます。
猿人にさらわれた恋人は、エイリアンの餌としてテーブルへ裸で寝かされます。
ゾンビの群れが襲いかかる中、青年は恋人を救出し、洞窟から脱出することが出来るのか?
「エイリアン・ゾンビ」ここが見どころ!
前半は80年代らしいモンスター&スプラッター!(安いけど)
前述の通り、前半は森の中でひたすらでっかいお猿が大暴れ。次々人を襲ってはブチ殺します。最初のうちは首を折るなど、見た目にあまり派手でない殺害描写ばかりですが、そんなの80年代ホラーじゃない!というわけで、だんだん殺し方も派手になります。首を引きちぎったり、棒きれでお腹をグサグサ刺して内臓をグチャグチャしたり。
でも殺した人はゾンビ化して宇宙船を作る労働力にしたいはずなのに、バラバラに惨殺しちゃうのは変なんですがね。まあお猿の浅知恵だから仕方ない、というよりは、当時のB級ホラーに特殊メイクによるスプラッターは必須だった、ということですかね。特殊メイクを駆使した残酷描写は80年代の文化ですな。
ゾンビにエイリアンにお猿に宇宙船
撮影しやすい森の中や洞窟のセットで全編撮ってるあたり、低予算には違いないんですが、それでもSFホラーのエッセンスをギッシリ詰め込んでいる欲張りぶりはアリだと思います。
ゾンビはゴムマスク感丸出しだけどけっこう不気味。洞窟内をうろつくグロいメイクのゾンビたちを撃ち殺すシーンなんて、ロメロの「死霊のえじき」っぽい雰囲気出してます。
でもこのゾンビ、何となく襲っては来るけど、基本宇宙船建造の労働力なので、人を喰ったりしないんですよね。残念。
グロテスクな姿のエイリアン、最後に登場します。当時のSFX技術を駆使したモンスターで、多分内部からスタッフがワイヤー等で操作するダミーです。
なので、台の上に鎮座したまま動かない、というか動けないんですよね。う~ん、残念。
猿人への変身シーンは皮膚がプカプカ蠢き「ハウリング」っぽい派手な特殊メイクの見せ場!になりかけるものの、プカプカ止まりでメカニカル仕掛けのダミーとかは無し。残念。
宇宙線も登場!作りかけだけど。作っているのは虚ろな目つきのゾンビたち。材料は猿人が近隣から盗んできた無線機やラジオのパーツ。
この宇宙船、ほんとに飛ぶんですかね?乗っても平気なのか?
なんか沢山詰め込んだものの、どれもあと一歩な印象は否めませんが、低予算の中での、精一杯の出来る限りなサービスぶりには好感が持てますね。
きれいなオッパイがいっぱい!
結局これです!美女のヌード・シーンがやたら多いです。全編に渡りバランス良く配分されています。
エイリアンの餌としてテーブルに寝かされる女子なんて、全裸で仰向け。上向きでも形の崩れないきれいなオッパイをしっかり見せてくれます。きれい過ぎて若干疑念もありますが。
これらお色気要素の盛り込み具合は、この手のホラー映画の添え物としては理想的だと思います。
濡れ場などの欲望を煽るほどのエロは無く、あくまでもホラー主役のお色気脇役で適度なサービスの範囲内。
まとめると
森でお猿が大暴れするモンスター&スプラッター映画です。加えてゾンビやエイリアン。きれいなオッパイ。良くも悪くも80年代の低予算ホラーらしい作品ですね。
私は週末の夜、500円の中古VHSで鑑賞したのでちょうど良いお手頃感でした。
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