手作り感あふれる昔のゾンビ映画、
「死霊の餌 南軍ゾンビの逆襲」の見どころ解説です。
走らないスローモーなタイプ。
既製品ぽいゴムマスク・ゾンビや粘土細工のダミーヘッドが微笑ましい。
図画工作みたいなミニチュアカー大炎上は必見。
「死霊の餌 南軍ゾンビの逆襲」
(CURSE OF THE CANNIBAL CONFECLERATES)
(1987年←多分嘘 アメリカ 90分)
「死霊の餌 南軍ゾンビの逆襲」ストーリー
アメリカの片田舎。
原っぱと森しかない辺ぴな土地に、キャンピング・カーでやって来る若い男女6人。
うち女性は3人。日系の姉妹と、ウーマン・リブな金髪女性。
(ウーマン・リブって、これ一体いつの映画?)
で、
原っぱには南北戦争で惨殺された南軍兵の墓地があります。
男性の1人が南軍の隊長さんの日記帳を発見、
こっそりポッケに入れちゃいます。
するとその晩、
南軍兵達が甦り、キャンプ中の男女に襲いかかります。
男性陣はショットガンで応戦。
ゾンビの頭を次々に吹き飛ばします。
ゾンビの攻撃がのろ過ぎまして、幸いこの晩は被害ゼロ。
全員無事。
翌朝、ゾンビから逃げる若者達は警官2人と遭遇。
「ああ、助かった。おまわりさん、大変です。死体が大勢で襲ってきます!」
すると話を訊いたおまわりさん、素晴らしい推理を披露。
「そうか!判ったぞ!誰かが死体にロープを付けて、見えない所から操っているのです!」
この斬新過ぎる発想に、
若者達と観客の頭の中が真っ白になったところへ、
ゾンビ軍団が到着。
警官2人と若者1人が内臓をむさぼり喰われます。
その後、若者達は一軒家に避難。
陽は落ちて夜になり、
どうやら「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」っぽくなりそうな気配!?
「死霊の餌 南軍ゾンビの逆襲」はこんな映画
日本版ビデオのジャケットには、
「1987年アメリカ映画」とありますが、
エンド・ロールでは「1982年製作」。
でもなんか、もっと古そうな感じも・・・
男性3人のいでたちもヒッピーっぽいですし。
この映画の見どころ、と言うか、
お薦めの観方ですが・・・
手作り感が微笑ましい低予算特撮、特殊メイクを楽しみましょう。
(私深沢作品の特撮も他人様のことを全く言えませんが棚に上げます)
先ずゾンビメイクは、
既製品ぽいゴムマスクをすっぽり被ったモンスター的なタイプが数人。
その他大勢は肌を白く塗っただけの省エネタイプ。
つまり大半は顔色が悪いだけ。
南北戦争の頃から土中に埋もれてた死体にしては、保存状態、良過ぎですな。
ゾンビの頭部破裂は粘土細工っぽいダミーヘッドで頑張ってますが、
中に詰める火薬の量がちょっと多過ぎたようです。
派手に大爆発し過ぎ、火柱で何が何やらよく判りません。
で、判んないならいいや、ということで、
同じ頭部破裂を何度も使い回してます。
まあ、良くある事ですけどね。
「ゾンビ3」とかもそう。
そして後半、内臓喰いのシーン。
どうやら本作品最大の見せ場のつもりらしく、
もの凄く長いです。
内臓を引っ張り出す。
食べる。
内臓を引っ張り出す。
食べる。
これが延々繰り返されます。
ちなみにこの場面の特殊効果ですが、
シャツの下に詰めた内臓を、端っこから引っ張り出す、
という画期的な手法で撮影されました。
あと、特殊効果と言えば、
この映画で語り草となっているのが、
銃撃による自動車の炎上。
紙製っぽいミニチュアカーが、
紙っぽく「ぼわっ!」と燃え上がります。
「死霊の餌 南軍ゾンビの逆襲」ネタバレのエンディング
さて、ラストシーンなんですが、
もうホラー映画関係の書籍などで紹介されまくっていますので、
以下にネタバレします。
今後鑑賞予定のかたは、くれぐれもご注意ください。
↓※ネタバレエンディング
ゾンビ軍団から逃れ、
一軒家に逃げ込んだ若者たち。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」的展開になるのか!?
と思いきや、
そんなこともなく、
特に攻防戦も無いまま、どっかからか普通にゾンビ達が侵入、
何人か殺られます。
生き残っているのは1組のカップルのみ。
男の方がハッと気付き、
仲間が盗んだ日記帳を差し出します。
すると、
何故かちょっと感動的な表情で受け取るゾンビ隊長。
ゾンビ達は攻撃をやめ、トボトボと歩いて帰って行きます。
その後ろ姿を、言葉も無く呆然と見送る若者。
言葉は無くとも言いたい事はだいたい見当がつきます。
内臓を貪り喰う前に一言、
「ぼくの日記帳を返して」
と言って。
コメント