特殊メイク、特殊効果のお手軽ぶりが目立つ、ゆるい内容の心霊系ゾンビ映画、
「ゾンビ・ハネムーン 大カマのえじき」について詳しく解説します。
ザックリ解説「ゾンビ・ハネムーン 大カマのえじき」はこんな映画
「ゾンビ・ハネムーン 大カマのえじき」
（ＴＨＥ ＮＥＷＬＹ ＤＥＡＤS）
（１９８７年 アメリカ ７７分）
監督 ジョセフ・メルヒ 主演 ジム・ウィリアムズ
映画「ゾンビ・ハネムーン 大カマのえじき」のゾンビ
ゾンビ風な見た目の幽霊に取り憑かれた中年男性を救うため、
たまたま通りかかった霊能力者の中年女性が戦います。
登場するゾンビ（というか幽霊）の特殊メイクは、
適当にグチャグチャ捏ね上げたような造形のゴムマスクに、ゴム手袋着用。
マスクはまるでお面のようで、表情は固定。
お手軽です。
殺人描写は、
何かが刺さるだけ、ってパターンがほとんど。
特に棒が刺さるだけってのが多く、
映像的には棒を体にくっ付けといて、
そこに血糊を塗っただけです。
お手軽です。
横たわるゾンビの死体の画なんて、良く見ると、
ゾンビ役の人が脱いだ、衣装とマスクと手袋が路面に並べられてるだけ！
もう、お手軽にもほどがあります。
アナログビデオ撮りの映像が、アマチュア感を醸し出しています。
「ゾンビ・ハネムーン 大カマのえじき」ストーリー
「大カマのえじき」という副題から先ず連想したのは、
トビー・フーパー監督の「悪魔の沼」でした。
ベトナム帰りのイカれたオヤジが、
死神が持っているような大カマを振り回し、
殺した人間をワニに喰わせるというあの怪作。
そのゾンビ版？
大カマを振るって人の首を刎ねまくる腐れ果てたゾンビ。
そんな愉快なイメージに胸を躍らせていましたが・・・
ブロンドの若い女が湖のほとりのロッジへやって来ます。
宿の主人は額の禿げ上がった太り気味の中年男。
部屋へ案内した際、女にちょっかいを出します。
禿げエロオヤジです。
ところでこの女、なんか変ですよ。
声は低いし、肩幅あるし・・・
まさか・・・・・
大カマのえじき・・・・・・・・・
オオカマ・・・・・
何となくタイトルの意味が読めてきて、
非常にガッカリな予感です。
しかし私よりも遥かにガッカリした人がいました。
宿のオヤジです。
いいムードになってた相手がオカマさんだったわけで。
あまりのガッカリにこのオヤジ、
何とオカマさんのこめかみにアイスピックを突き刺し、ブチ殺してしまいます。
１５年後。
オカマ殺しのエロオヤジは、
ロッジの庭で結婚式を挙げています。
相手の女性は、若くてセクシーでとても可愛く性格も良さそうな子。
ああ、金目当てだな、と思いきや、
ホントに惚れてる模様。
人を見る目の無い女です。
すると湖の底へ沈められていたオカマさん、
グチャグチャドロドロな姿で現れ、
「あなたを他の女には渡さないわ」
などと言い出します。
オカマさんの姿はエロオヤジにしか見えませんが、
車で通りかかった中年夫婦の奥さんが霊能力者で、
オカマゾンビを目撃。
ロッジに泊まり成り行きを見守ります。
ロッジには若いカップルも泊まっていて、
エッチな事など始めますが、
窓から覗いていたオカマゾンビに、
棒とナイフで刺し殺されます。
２人に殺される理由は全く無く、
オカマのやっかみです。
この他にも無関係な人が次々に殺されますが、
特に理由も無く、ついでに殺されてる感じ。
一方エロオヤジは、
オカマゾンビに幻覚を見せられて血迷い、
新妻を刺し殺してしまいます。
新妻の死体を前に悲しむエロオヤジ。
すると戸口にオカマゾンビが現れ、
水着姿のセクシー美女に大変身！
「カモ～ン」と誘惑。
すると「おっ」って感じで、のこのこ近付くバカなエロオヤジ。
そこへ霊能力者オバサン登場。
「あの女に触れたら、あなたもゾンビと同じ姿になるところだったのよ！」
とかなり適当なことを言います。
触れたら同じ姿になるって、どんなシステム？
勝手に変なルールを作らないで欲しいものです。
以降は霊能者オバサンがエロオヤジを守るため、
オカマゾンビと対決するという展開。
オバサン、身を挺してオヤジを守り、命懸けで戦います。
それにしても、ハゲで中年太りでオカマ殺しのオヤジが、
やけにモテ過ぎじゃないか？
殺したおカマさんの幽霊から１５年に渡り惚れられ続け、
娘ほど年下の若くて可愛い娘と結婚、
ついでに霊能力オバサンまで、命懸けで守ってくれる。
なんでこんなにモテモテ！？
そしてクライマックスでは霊能者オバサンが突然、
｢私にキスして！」
とエロオヤジに迫ります。
オカマゾンビをおびき寄せるための作戦なのですが、
中年男女が烈しく抱擁し、
延々と唇を吸い合う光景は、
爽やかじゃない、というか、
なんか嫌です。
中年太りで禿げてて人殺しのオジサンがモテまくり。
ホラーとしての中身は、お手軽マスクのゾンビ１名がお手軽特撮で次々人殺し。
ダミーヘッドを使用した断首シーンが唯一の特撮的見せ場かな。
よく見ればゾンビなんて出て来ない、ゆるい展開の心霊ホラーでした。
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