「ジャンク・シティー 屍肉の館」の見どころ解説ページです。
邪悪なカルトに取り込まれた男の悲劇と、
最後に楽しいドロドロ・スプラッターショー！
という趣向のインディーズ・ホラー。
死者に憑依された男が我を失い、ビチャビチャ溶けながら人を殺します。
「ジャンク・シティー 屍肉の館」
（SLIME CITY)
（１９８７年 アメリカ ８３分）
「ジャンク・シティー 屍肉の館」ストーリー
手描きっぽい劇中タイトル
寂びれた安アパートに入居した大学生が、
隣室の住人から、変な食事を振る舞われます。
見た目は絵の具を溶いた水とババロア。
実はなんとこれ、食べた人に死者を憑依させる秘薬。
昔集団自殺した悪魔崇拝者とその弟子達が、
現代に甦ろうとしていたのでした。
アパートの住人は、既に全員弟子達の霊に体を乗っ取られてます。
で学生さんは、教祖様の入る肉体に選ばれたのでした。
以来、時々体が溶けてきて凶暴化する学生さん。
人を殺すと元の姿に戻ります。
浮浪者、娼婦、チンピラと次々にぶち殺します。
そうこうするうちに、だんだんと人格が変わり、
最後には心も体も乗っ取られるのですと。
この設定、面白いんじゃない？
自殺した邪教の信者達が他人に憑依。
殺戮を重ねるうち、次第に人格が入れ替わり、最後には肉体を奪う。
自分が自分でなくなってゆくこの恐怖！
ん？
でもさ・・・
体が溶ける必然性、全く無いような気が・・・
・・・
まあまあ、それは良しとして、
ついには親友をも手にかけてしまった学生さん、
人格は完全に別人と化し、最愛の恋人にまで襲い掛かります。
※ここからのクライマックス・バトルが必見！
そのネタバレありありな詳細はページ最下部にて。
今後ご鑑賞予定のかたはご注意ください。
「ジャンク・シティー 屍肉の館」はこんな映画
溶解特殊メイクは素敵な出来栄え
ちょっと「溶解人間」を想起・・・させなくもないです。
溶けながら人を襲う怪物一人。
でも「溶解人間」とは明らかに違います。
熱線で体を焼かれた宇宙飛行士が錯乱して人を襲う「溶解人間」は、
ドロドロしつつも最期まで生きた人間でしたので。
こっちはほぼゾンビなお化け。
作品自体は、
８０年代当時のアメリカの安アパートの雰囲気とか、
１６ミリフィルムの暗いトーンも相まって、
何とも言えない懐かしいアングラ感が漂います。
色仕掛けで誘う怪しい美女
ただし恐らくはクライマックスの、
ドロドロ溶ける主人公と恋人の殺し合いを撮りたいがために作られた映画。
クライマックスは特殊メイクとギミックによる人体破壊ショー。
もう大サービス！
最大の見せ場です。
最大の見せ場、なんですが・・・
なんか妙に動きがスローモーですよ。
まるで打ち合わせ中の練習風景を見せられてるみたいなスピード感。
特殊効果を失敗しないよう慎重に動いてるのと、
編集の甘さが相まって、
珍妙な間の悪さを醸し出しています。
動き回る首無し胴体の特殊効果は、
スタッフがフレームの外から手で持って動かしてるだけなので、
ハリボテ感丸出しです。
重量感ゼロ。
まあ、観ていて微笑ましいし、
愛おしいんですけどね。
特殊メイクを駆使したクライマックスのゆっくりバトル
１６ミリで撮られたアマチュア映画ですが、
特殊メイクはとことん頑張りました！
という作品。
棒で人を殴り殺すだけのシーンでも、
ごまかさずにちゃんとダミーヘッドをこしらえてます。
アプライエンスを使用した溶解人間メイクも、
当時のインディーズにしては水準以上の出来栄え。
楽しいクライマックスの人体バラバラ＆脳味噌ウニウニは、
ちょっと下手だけど愛嬌があり、何度も観たくなります。
「ジャンク・シティー 屍肉の館」クライマックスの見せ場ネタバレ
※ さて・・・以下、結末に触れています。
ネタバレ要注意です。
死体から這い出し生き延びようと蠢く脳味噌
この映画最大の見せ場は、
アパートの狭い部屋で繰り広げられる、
ドロドロ学生さんと恋人のバトル。
バトルと言っても、恋人の方は太ももにフォークを一回刺されるだけ。
一方的にドロドロ学生さんがやられ続けます。
包丁でバラバラにされてゆくドロドロ学生さん。
腹を切られて内臓が溢れ出し、
首を斬り落とされ、
胴体だけで襲い掛かるものの、
両手を切断される。
トドメとしてナイフを頭に刺されると・・・
なぜか頭頂部がパカッと開き、
脳味噌が尺取虫のようにウニウニと這い出します。
その脳味噌も巨大な包丁でブツ切りにされ、ようやく活動停止。
ドロドロ学生さん、なかなかたいしたゾンビっぷりでしたよ。
ちょっと弱過ぎでしたが。
コメント